国際演劇評論家協会日本センター

国際演劇評論家協会日本センターについて

国際演劇評論家協会日本センター、略称AICTは、ユネスコの傘下に位置する国際演劇評論家協会の日本支部です。この組織は日本国内における唯一の演劇評論家の全国組織で、演劇や舞台芸術評論の重要な役割を担っています。

AICTの概要

AICTは「Association Internationale des Critiques de Theatre」の略称であり、英語では「International Association of Theatre Critics」、またはIATCとも呼ばれる一部の国ではこの略称が用いられています。AICTの目的は舞台芸術の評論を分野として確立し、その基盤の発展に貢献することです。この組織は、国際会議の開催や異文化交流を促進し、国際的な相互理解を深める活動を中心に行っています。

設立の経緯

日本センターの設立は1979年に始まり、1980年に世界本部にその設立が報告されました。1981年には初回の総会が開催され、岩淵達治が初代会長に選出されました。その後、歴代の会長には野村喬、石沢秀二、大笹吉雄、扇田昭彦、西堂行人、新野守広、山本健一が名を連ねています。2021年現在の会長は本橋哲也、事務局長は塚本知佳が務め、約100名の演劇評論家が所属しています。

入会条件

AICT日本センターへの入会ためには、舞台芸術の評論家として最低でも3年の活動実績が求められます。具体的には、新聞や雑誌、ラジオ、テレビなどでの活動が必要で、また舞台芸術に関する著書を持つことも条件です。入会希望者は、会員2名の推薦を受け、運営委員会の審査を経て総会での承認を得なければなりません。

日本センターの活動内容

AICT日本センターでは、様々な活動が行われています。

1. 演劇批評誌の発行: 1994年に発刊された『シアターアーツ』は、演劇批評の向上に寄与するために、若手評論家の育成にも力を入れています。現在、紙媒体は年に一回発行し、Webマガジンは毎月更新されています。
2. 賞の授与: 毎年、優れた著作や論考に対してAICT賞が授与され、また、若手評論家による未発表の投稿論文にはシアターアーツ賞が贈られます。
3. 国際大会への参加: 2年ごとに開催されるAICT本部主催の世界大会には、日本センターから会員が2名参加し、国内の演劇批評について議論し、国際的な交流を図っています。
4. 公開シンポジウムの開催: 毎年公開シンポジウム『シアター・クリテイック・ナウ』を実施し、評論家、芸術家、観客が一堂に会し、舞台芸術の現状や問題について意見交換を行っています。
5. 特別刊行物の発行: 2016年には、震災や原発問題に焦点を当てた『「轟音の残響」から－震災・原発と演劇－』を刊行しました。
6. 地方支部の活動: 1993年には関西支部が設立され、地方における演劇批評の活性化を目指して、シンポジウムや評論集の編集活動を行ってきました。

AICT日本センターは、演劇批評の質の向上や若手の育成を図りつつ、国際的なネットワークを構築し、舞台芸術のさらなる発展に寄与しています。

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