国際衛星識別符号
国際衛星識別符号について
国際衛星識別符号（International Designator）は、人工衛星に付与される国際的な識別システムです。一般的にはCOSPAR命名法やNSSDC IDとも呼ばれ、これらの名前はそれぞれ国際機関であるCOSPARとアメリカの国立宇宙科学データセンター(NSSDC)に由来しています。この識別符号は、人工衛星が打上げられた年にその年の打上げの順序を示す3桁の番号、さらに一度の打上げによって同時に複数の部分が分離された場合には各部分を識別するための最大3桁のIDからなります。
この識別システムは、公共の衛星に対してのみ適用されることが原則です。そのため、軍事目的の衛星の中にはカタログに掲載されないものもあります。それにより、特定の年での打上げ回数を確定させる際に、これらの衛星はカウントされません。
具体的な例を挙げると、1957年に打上げられたスプートニク1号は、1957-001Bという識別符号が与えられています。一方で、打上げロケット自体には1957-001Aが付与され、このシステムでどのように番号付けが行われるかを示しています。もう一つの例を見てみると、1990年に打上げられたハッブル宇宙望遠鏡には1990-037Bという識別符号が付与され、これはその年の37番目の成功した打上げであったことを示します。加えて、1990-037Aはその望遠鏡を運んだスペースシャトル・ディスカバリーを指します。
打上げに失敗した場合、このシステムではNSSDC IDは付与されず、任意の名称でカタログに掲載されます。例えば失敗したヴァンガードSLV 1にはVAGSL1というIDが振り分けられます。
一般的には、この命名システムはCOSPARシステムとして知られています。COSPARは1958年に設立され、最初にハーバード大学から配布された命名法を元に現在のシステムへと進化してきました。当初、人工衛星名に対する命名にはギリシャ語の小文字が使用されていました。しかし1963年以降、数字を用いる方式に変更しました。この数字ベースのシステムにより、コンピューター化された照合が求められたため、より正確な管理判断が可能となったのです。この変更に関してTRW社が発行した1969年版のスペースログでは、1962年までの衛星にはギリシャ文字、1963年以降の衛星には数字が用いられていることが述べられています。
現在、この国際衛星識別符号のカタログは、NASAの一部門である国立宇宙科学データセンター(NSSDC)が管理を担っています。これにより、継続的な衛星の管理と研究が行われ、宇宙活動の透明性とデータの一貫性が向上しています。宇宙における人工衛星の発展や利用が進む現代において、この識別システムは極めて重要な役割を果たしています。
関連項目
- - 衛星カタログ番号
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