国頭村営バス

国頭村営バス

国頭村営バスは、沖縄県国頭郡国頭村が運営する自治体バスです。村内における住民の移動手段を確保するため、独自の運行体系を構築しています。ここでは、バス事業に加え、かつて存在したタクシー事業についても解説します。

バス事業

設立の背景

国頭村は、道路整備が遅れていた地域が多く、特に村の東海岸地域は「陸の孤島」と呼ばれるほど公共交通機関が不足していました。1987年、東海岸地域でマイクロバスによる有償輸送が開始され、これが村営バス東線の始まりとなりました。

当初、村の中心部と奥を結ぶ路線バスは琉球バス・沖縄バスが運行していましたが、利用者の減少により減便を余儀なくされていました。国からの補助金が打ち切られたことを機に、2004年10月1日より村営バスが奥線の運行を開始。これにより、村内全域で村営バスによる運行体制が確立されました。

路線概説

現在の村営バスは、主に以下の2路線で運行されています。

東線: 村役場前の辺土名バス停を起点とし、東海岸の各地区を結ぶ路線です。
奥線: 辺土名バス停を起点とし、国道58号沿いの各地区と奥を結ぶ路線です。

辺土名バス停 は、琉球バス・沖縄バスの辺土名バスターミナルとは場所が異なり、少し離れた場所に位置しています。

また、運送区域には辺土名と大宜味村の辺土名高校間も含まれますが、この区間は高校生のみが利用可能です。

運賃と割引

運賃は区間によって異なり、100円から750円です。小学生、障害者手帳所持者、運転経歴証明書所持者は半額、小学生未満と65歳以上は無料です。2015年4月1日より、障害者割引と運転免許自主返納者割引が導入され、高齢者は運賃が無料化されました。

一般向けの回数券や定期券はありませんが、辺土名高校の通学定期券は販売されています。

運行状況

2018年5月7日から10月末までの間、実証実験としてデマンドバスが導入されました。その後も実証実験期間が延長され、2019年5月7日からは定時運行2往復とデマンドバス2本という体制で運行しています。1月1日と2日は全線運休です。

各路線の詳細

東線：辺土名から東海岸の各地区を結ぶ路線で、1日2往復運行しています。一部区間はデマンドバスのみの運行となっています。

辺土名 - 【やんばる学びの森】 - 安波 - 安田 - 伊部 - 楚洲 - 【奥】
やんばる学びの森経由、楚洲 - 奥間はデマンドバスのみ運行

奥線：辺土名から国道58号沿いの各地区を通り、奥を結ぶ路線で、1日2往復運行しています。以前は楚洲まで延長運転していましたが、現在は奥発着に戻っています。

辺土名 - 宇良 - 伊地 - 与那 - 謝敷 - 佐手 - 辺野喜 - 宇嘉 - 宜名真 - 北国小学校 - 辺戸岬（辺戸岬園地）- 辺戸 - 奥

比地線: 2004年10月に運行開始されましたが、2006年4月に廃止されました。現在はデマンドバスが運行されています。

辺土名 - 道の駅ゆいゆい国頭 - 奥間ビーチ - 比地大滝

車両

村営バスでは、マイクロバス2台（21人乗りと22人乗り各1台）を使用しています。

タクシー事業

村内における民間タクシー事業者の廃業を受け、村営バスの運行時間外の移動手段を確保するため、自家用車による有償運送事業としてタクシー事業が開始されました。運行時間は午後8時から午前4時までで、電話または無線による配車が可能です。村所有のセダンタイプの乗用車3台が使用されていましたが、2008年までに廃止されました。

注記

国頭村営バスは、地域住民の生活を支える重要な交通手段です。今後も、地域の実情に合わせた柔軟な運行体制が求められます。

参考文献

バスラマ・インターナショナル89号「最南端の最北端で〜沖縄県国頭村に村営バスを訪ねて〜」
ワーキングビークルズ29号「THE TAXI 沖縄県国頭村の"村営タクシー"」

外部リンク

国頭村ホームページ
国頭村ホームページ > アクセス・マップ
バスマップ沖縄 > 本島北部のバスマップ
* 沖縄発! 役に立たない写真集 > 国頭村営バス（バス車両・バス停の写真）

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