國見山半五郎

國見山 半五郎について

概要

國見山半五郎（くにみやま はんごろう）は、1830年（文政13年）に尾張国愛知郡、現在の名古屋市で生まれた力士です。本名や身長、体重は不明ですが、彼は関ノ戸部屋に所属し、力士として活躍しました。最高位は東前頭3枚目であり、大相撲の歴史に名を刻んでいます。

力士としての経歴

半五郎は1852年の閏2月場所で初めて土俵に上がり、競技生活をスタートさせました。その後、約12年間の努力の末、1864年の10月場所で東十両9枚目に昇進し、さらに名声を高めました。しかし、彼のキャリアの中で印象的だった事件が発生しました。

1867年11月、半五郎は千羽ヶ嶽兵右エ門（当時の東前頭5枚目）との取組で勝負結果を巡って、徳島藩の藩主である蜂須賀斉裕によるボイコットが起きました。この事件は、千羽ヶ嶽にとって最後の取組となり、彼は翌年に急死しています。

1868年6月場所では、ついに新入幕を果たし、同年11月には明治時代最初の場所で初日のみ全幕内力士の中で唯一黒星を喫するという特異な記録を残しました。その後、次の6日目以降はショックから休場する事態に至りました。

1869年11月場所以降は、尾張藩のお抱え力士となり、「尾張三人衆」と呼称される三人の名力士の一人として知られるようになります。同年から助力を得ながら小ノヶ崎仙吉や甲喜三郎と共に名を馳せました。半五郎は1872年4月場所前に現役を引退します。

引退後の活動

引退後の1873年11月からは、高砂浦五郎の高砂改正組に加わり、頭取（副締）という役職に就きました。その後、故郷に戻り愛知相撲の取締役として活動し、後進の指導にも力を注ぎました。また、同時に高砂改正組や愛知相撲でも年寄として名前を広め、若手力士の育成にも貢献しました。

最後の時

半五郎は1887年12月4日に57歳で死去しました。彼の現役通算成績は、幕内で9場所に出場し、18勝34敗3分1預34休というものでした（このうち10休は引退後の番付に示されたものです）。名前の変更歴としては、宮ノ森から國見山 半五郎に改名しての活動がありました。

文化的影響

2代歌川国政による化粧廻し姿の錦絵が複数残っており、彼の功績は史料としても価値があります。今日でも、愛知県出身の力士として彼の名前は相撲ファンの間で語り継がれています。

あとがき

國見山半五郎の生涯は、相撲界における長い歴史と、それに伴う多くの出来事の縮図ともいえるものです。彼の努力と貢献は、現在の相撲界においても大きな影響を及ぼしています。

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