圓明寺

圓明寺の詳細

圓明寺（えんみょうじ）は、愛媛県松山市和気町に場を構える真言宗智山派の寺院であり、須賀山（すがざん）、正智院（しょうちいん）という名称でも知られています。ここは四国八十八箇所の第五十三番札所であり、本尊は阿弥陀如来です。また、近年は「円明寺」という表記が一般的になっています。

本尊ならびに詠歌

本尊の真言は「おん あみりた ていぜい からうん」と唱えられます。訪れる人々はご詠歌「来迎の弥陀の光の圓明寺　照りそふ影は夜な夜なの月」を通じてその霊的な光に包まれています。納経印は当寺の本尊、奥之院の十一面観音、四国十三仏霊場勢至菩薩が使用されています。

歴史の背景

圓明寺の歴史は深く、寺伝によると天平勝宝元年（749年）には聖武天皇の勅願を受けた行基によって開基され、本尊の阿弥陀如来とともに脇侍として観世音菩薩、勢至菩薩が刻まれたとされています。当初は和気浜近くの海岸に位置し、七堂伽藍を有する大寺院として知られていましたが、後に空海（弘法大師）がこの地を訪れ、荒廃していた伽藍を整備したとされています。

鎌倉時代以降、幾度となく兵火に見舞われ、最終的には元和年間（1615年 - 1624年）に現在の位置に移転されました。寛永10年（1633年）には須賀専斎重久が私財をもとに再建し、寛永13年（1636年）には仁和寺の覚深法親王から「須賀山」という山号を賜りました。

境内の構成

寺院の境内には多くの重要な施設が整っています。山門（仁王門）を入ると、中門（楼門）、本堂があり、ここでは修復された阿弥陀如来坐像や脇仏が参拝者に拝観されています。本堂の背後には秘仏が安置された厨子があり、周囲には多聞天と増長天が配置されています。特に目を引くのは、右脇陣に安置された阿弥陀観音勢至の三尊仏で、天井付近には左甚五郎作とされる龍の彫刻が施されています。

他にも、大師堂、観音堂、閻魔大王像祠、地蔵菩薩像祠など、さまざまな仏像や祠が境内に点在し、訪れる人々は信仰の深さを感じることでしょう。観音立像が安置された観音堂や、子育てや水子の祈願を行う地蔵菩薩像祠なども重要なスポットです。また、木造阿弥陀三尊像も境内の重要文化財に指定されています。

宿坊と交通アクセス

圓明寺には宿坊はありませんが、駐車場は10台分あり、大型車も3台収容可能です。最寄りの交通機関としては、JR四国の伊予和気駅から徒歩0.3kmの距離に位置し、伊予鉄バスでもアクセス可能です。

文化財と周辺情報

圓明寺は国の史跡にも指定されており、愛媛県内の文化財も多数有しています。特に、八脚門や室町時代作の厨子、12世紀頃製作された木造阿弥陀三尊像などが代表的な文化財として、訪問者の注目を集めています。

このように多彩な魅力を持つ圓明寺は、訪れる人々にとって心の安らぎや霊的な体験を提供する場所となっており、歴史や文化に触れる貴重な体験ができます。

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