土々呂駅

土々呂駅：延岡市の歴史と自然を繋ぐ駅

宮崎県延岡市土々呂町に位置する土々呂駅は、九州旅客鉄道（JR九州）日豊本線沿線にある歴史深い駅です。大正11年（1922年）2月11日の開業以来、延岡地域の住民の足として、長きに渡り利用されてきました。

駅の歴史と変遷

土々呂駅は、当初は鉄道省によって開設され、貨物輸送も盛んに行われていました。昭和37年（1962年）に貨物取扱いが廃止され、昭和49年（1974年）には荷物取扱も廃止となり、無人駅となりました。その後、国鉄分割民営化（昭和62年4月1日）を経てJR九州の駅となり、現在に至ります。平成8年（1996年）6月1日には宮崎総合鉄道事業部発足に伴い、大分支社から鹿児島支社へ、令和4年（2022年）4月1日には宮崎支社発足に伴い、鹿児島支社から宮崎支社へ移管されるなど、組織的な変化にも対応しながら、地域の交通を支え続けています。

駅の構造と特徴

土々呂駅は、相対式ホーム2面2線を有する地上駅で、駅舎には跨線橋と待合所が設置されています。シンプルな構造ながら、利用者の利便性を考慮した設計となっています。駅周辺にはJR九州関連の施設の他、保線車両の車庫なども存在しており、鉄道の維持管理にも重要な役割を担っています。無人駅であるため、窓口での乗車券購入や駅員による案内などは行われていませんが、静かで落ち着いた雰囲気の駅です。2番線を上下主本線とした一線スルー構造となっており、通過列車は原則として2番のりばを通過しますが、停車列車は行違いがない限り1番のりばを優先して使用します。

利用状況と周辺環境

土々呂駅の1日平均乗車人員は近年変動がありますが、地域住民の通勤、通学、買物などに利用されています。駅周辺には、清本鐵工延岡工場やセンコー延岡支店といった企業、宮崎職業能力開発促進センター延岡訓練センター（ポリテクセンター延岡）、延岡地域職業訓練センターなどの教育機関、土々呂郵便局、土々呂漁港などの公共施設が立地しています。また、国道10号線も近くを通っており、交通アクセスにも恵まれた場所にあります。東九州自動車学校や延岡市立土々呂小学校など教育施設も西側に位置し、多様な施設が混在する地域の中核駅として機能しています。

過去の遺構と地域との繋がり

かつては、夏期限定で土々呂駅と旭ヶ丘駅（当時は未開業）の間に「土々呂海水浴場駅（仮乗降場）」が設置されていました。この海水浴場は現在閉鎖されていますが、かつては多くの観光客で賑わった名残を感じさせるエピソードです。この事実は、土々呂駅が単なる交通拠点ではなく、地域の歴史や文化と深く結びついていることを示しています。

隣の駅

旭ヶ丘駅
門川駅

土々呂駅は、日豊本線沿線の他の駅と同様に、地域の生活に密着した存在であり、今後も地域住民の生活を支え続ける重要な役割を担っていくことでしょう。

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