土井利実

土井利実（どい としざね）は、肥前国唐津藩の2代藩主であり、土井家宗家6代にあたります。官位は従五位下・出雲守、大炊頭でした。

生涯

元禄3年（1690年）に初代藩主・土井利益（当時は志摩鳥羽藩主）の長男として生まれました。正徳3年（1713年）に父の死去により家督を継ぎ、唐津藩主となります。藩政においては、儒者の稲葉迂斎（いなば うさい）を登用し、儒学を奨励することで学問の発展に尽力しました。その一環として、享保8年（1723年）には藩校・盈科堂（えいかどう）を創設しています。

しかし、稲葉迂斎を重用し、政治顧問的な立場にまで用いたため、譜代の重臣から反発を受け、重臣による主導権争いも起こりました。また、享保17年（1732年）には享保の大飢饉が発生し、唐津藩も甚大な被害を受け、幕府からの援助を受ける事態となりました。

元文元年（1736年）11月26日に江戸で死去。享年47歳。長男の利武（としたけ）は早世していたため、養子の利延（としのぶ）が跡を継ぎました。

著書に「盈科堂記」があります。また、藤原広嗣（ふじわらのひろつぐ）の祟りを恐れ、その霊を慰めようとしたという逸話も残されています。

系譜

父母
土井利益（父）
正室
阿部正邦の娘
子女
土井利武（長男） - 生母は正室
養子
土井利延 - 土井利清の長男

土井利実は、学問を奨励し藩校を創設するなど文化的な側面で功績を残しましたが、重臣との対立や飢饉といった困難にも直面した藩主でした。

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