土居町 (愛媛県)

土居町について

土居町は、愛媛県の東予地方、宇摩地域に位置していた町です。2004年に川之江市、伊予三島市、新宮村と合併し、四国中央市の一部となり、地方自治体としてはその歴史を閉じました。しかし、土居町は四国で初めて高速道路が開通した場所であり、五葉松やサトイモの産地としても知られ、その歴史と文化は今もなお地域に色濃く残っています。

地理

土居町は、東に伊予三島市、西に新居浜市という四国有数の工業都市の間に位置していました。このため、交通の要所として重要な役割を果たしており、北四国の幹線交通軸である国道11号、松山自動車道、JR予讃線が東西に貫通していました。そのため、四国の中でも比較的交通の便が良い地域でした。町の南には中央構造線によって切り立った赤石山系の山々が連なり、北は燧灘に面しており、平地が東西に広がって農村地帯を形成していました。また、愛媛県道13号線沿いの東部地域には、工場や倉庫が立ち並び、伊予三島市や新居浜市の事業所へ通勤する人も多くいました。

歴史

土居町の歴史は、1878年の郡区町村編制法施行にまで遡ります。この時、宇摩郡に土居村、長津村、小富士村、天満村、蕪崎村、関川村が誕生しました。1919年には伊予土居駅が開業し、地域の発展に大きく貢献しました。また、1950年には昭和天皇のお召し列車が伊予土居駅に5分間停車し、駅前で奉迎が行われるなど、歴史的な出来事も経験しています。1954年には、土居村、長津村、小富士村、天満村、蕪崎村、関川村が合併して土居町が誕生しました。そして、2004年に、新宮村、川之江市、伊予三島市と合併して四国中央市となり、土居町は自治体としての役割を終えました。

行政と教育

土居町の最後の町長は藤田勝志氏でした。1984年に新築された庁舎は、合併後は四国中央市の支所として利用されています。教育面では、愛媛県立土居高等学校があり、中学校は土居町立土居中学校（現・四国中央市立土居中学校）、小学校は土居町立長津小学校、小富士小学校、北小学校、土居小学校、関川小学校がありましたが、現在はすべて四国中央市立となっています。

文化と行事

土居町では、地域を代表する行事として土居太鼓祭りが開催されていました。

交通

土居町には、四国旅客鉄道（JR四国）の予讃線が通っており、赤星駅、伊予土居駅、関川駅がありました。いずれの駅にも特急は停車しません。道路は、松山自動車道の土居インターチェンジがあり、国道11号、愛媛県道13号線が主要な道路として利用されていました。

出身有名人

土居町出身の著名人としては、江戸時代の朱子学者で「伊予聖人」とも称された近藤篤山、トランペット奏者で現代音楽のスペシャリストである曽我部清典、弁護士で後楽園スタヂアム社長を務めた真鍋八千代、思想家・政治家の安藤正樂、俳人で初代土居町長の尾﨑久馬、チャットモンチーのドラマー高橋久美子、南海放送アナウンサーの寺尾英子、天光教教祖の藤田真照などがいます。

関連事項

土居町には、蕪崎海岸という美しい海岸線がありました。また、土居町は、愛媛県の廃止市町村の一つとしてその名を残しています。


土居町は、その地理的な特徴から交通の要所として栄え、豊かな自然と歴史、そして多くの著名人を輩出した町でした。現在は四国中央市の一部となっていますが、その歴史と文化は今もなお、地域の人々の心に深く刻まれています。

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