土屋大洋

土屋大洋氏は、1970年生まれの日本の国際政治学者であり、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科の教授を務めています。また、総合政策学部の教授も兼任しています。

学歴と職歴

慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、同大学大学院法学研究科で修士号を、さらに政策・メディア研究科で博士号を取得しました。その後、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター主任研究員などを経て、現在の慶應義塾大学の教授職に至ります。

海外での研究活動も積極的に行っており、2008年3月から1年間はマサチューセッツ工科大学で、2014年2月からは1年間イースト・ウエスト・センターでそれぞれ客員研究員として研究に従事しました。また、2019年10月から2021年7月まで慶應義塾大学総合政策学部長を務め、2021年8月からは慶應義塾常任理事に就任。慶應義塾ニューヨーク学院の理事長（2021年9月から12月までは学院長代行も兼任）も務めました。

研究分野と業績

土屋氏の研究分野は、サイバースペースが国際安全保障に与える影響や、サイバー空間における国際規範の確立可能性など、現代社会における情報と権力の関係を深く考察しています。その研究成果は、国際政治学の分野において高く評価されています。

2019年には、「サイバースペースが今日の国際安全保障環境に対して及ぼす影響と、この新たな空間における国際規範確立の可能性についての優れた研究」により、第15回中曽根康弘賞優秀賞を受賞しました。

著書

土屋氏は、多数の著書を執筆しており、その内容は、情報戦略、サイバーセキュリティ、国際政治など、多岐にわたります。主な著書としては、以下のものがあります。

『情報とグローバル・ガバナンス――インターネットから見た国家』（慶應義塾大学出版会, 2001年）
『ネット・ポリティックス――9・11以降の世界の情報戦略』（岩波書店, 2003年）
『ネットワーク・パワー――情報時代の国際政治』（NTT出版, 2007年）
『情報による安全保障――ネットワーク時代のインテリジェンス・コミュニティ』（慶應義塾大学出版会, 2007年）
『ネットワーク・ヘゲモニー「帝国」の世界戦略』（NTT出版, 2011年）
『サイバー・テロ 日米vs.中国』（文藝春秋, 2012年）
『サイバーセキュリティと国際政治』（千倉書房，2015年）
『暴露の世紀――国家を揺るがすサイバーテロリズム』（KADOKAWA, 2016年）
『サイバーグレートゲーム――政治・経済・技術とデータをめぐる地政学』（千倉書房，2020年）

また、編著や共著も多数あります。

『アメリカ太平洋軍の研究――インド・太平洋の安全保障』（千倉書房, 2018年）
（木村忠正）『ネットワーク時代の合意形成』（NTT出版, 1998年）
（持永大・村野正泰）『サイバー空間を支配する者――21世紀の国家、組織、個人の戦略』（日本経済新聞出版社，2018年）
（原田泉）『デジタル・ツナガリ――拡大するネットコミュニティの光と影』（NTT出版, 2004年）
（川口貴久）『ハックされる民主主義――デジタル社会の選挙干渉リスク』（千倉書房，2022年）

さらに、訳書も手がけています。

* エリ・ノーム、ローレンス・レッシグ、トーマス・W・ヘイズレット、リチャード・A・エプスタイン『テレコム・メルトダウン――アメリカの情報通信政策は失敗だったのか』（NTT出版, 2005年）

土屋大洋氏は、国際政治学の分野で重要な役割を果たしており、現代社会における情報と権力の関係について、深い洞察を提供しています。

外部リンク

土屋大洋のホームページ

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