土屋直樹

土屋直樹の生涯

土屋直樹（つちや なおき）は、江戸時代前期における大名で、上総久留里藩の第3代藩主として知られています。1634年、上総久留里藩の第2代藩主・土屋利直の長男として誕生し、彼の名が歴史に刻まれることとなります。

藩主としての就任

延宝3年（1675年）、父である利直の死去により直樹は家督を継ぎ、藩主としての地位を確立しました。この際、直樹は自身の弟・喬直に1000石と新たに開墾された田地1000石、合計2000石を与えたため、久留里藩の領土は累計で2万石となりました。また、同年の12月には、従五位下、伊予守に叙位され、正式に任官を果たしました。

改易とその後の人生

しかし、藩主としての地位は長くは続きませんでした。延宝7年（1679年）の8月7日、直樹は狂気を理由に改易され、久留里城も破却されることとなりました。この事態は、彼が甲斐武田家の名門に連なることを考慮し、直樹の長男である逵直に対して遠江国内で3000石が与えられることで、土屋家は旗本として存続する道を歩むことができました。

この改易により、直樹は逵直のもとで余生を過ごすこととなり、1681年6月30日に48歳でその生涯を終えました。彼の死後も、土屋家は逵直を通じて名門としての名を残し続けますが、直樹自身の殺伐とした運命は、多くの人々に語り継がれることとなりました。

家族と人間関係

直樹の治世を支えた久留里藩士の新井白石に関連する出来事も、彼の生涯には影響を及ぼしました。白石の父、正済は直樹の相続後、藩に仕えることがないとされ、一度も出仕しないまま延宝5年（1677年）で土屋家を追われました。この背景には、当時の土屋家内部の紛争があり、正済は延宝8年（1678年）に追放刑となるとの説も存在します。

また、新井白石は直樹によって奉公構に組み込まれたため、困窮の中で育つことを強いられました。このような家族間の複雑な関係は、当時の藩政や社会構造における競争や不安定さを物語っています。

まとめ

土屋直樹の人生は、彼が成し得た成功とその後の挫折を通して、江戸時代前期の大名としての役割や藩政治の厳しさを映し出しています。彼の物語は、時代の波に翻弄された一人の武士の姿を浮き彫りにし、歴史の中で忘れがたい記録として残っています。

もう一度検索