土屋陳直

土屋陳直（つちや のぶなお）

土屋陳直は、江戸時代中期に常陸国土浦藩の第3代藩主を務めた人物です。官位は従五位下・左京亮、但馬守。

生涯

元禄8年（1695年）に、第2代藩主・土屋政直の四男として生まれました。兄である昭直と定直が早世したため、嫡子となり、宝永6年（1709年）に従五位下・左京亮に叙位・任官されます。享保4年（1719年）には父の隠居により家督を継ぎました。

藩主就任後は、幕府の役職も歴任しています。享保4年（1719年）6月9日に紅葉山三の丸火の番、同年8月16日に大手御門番に任じられ、享保8年（1723年）には奏者番、享保11年（1726年）には西の丸大手御門番を務めました。

藩政においては、新田開発に力を入れ、森沖新田や下沼新田を開発しました。また、城下町の拡大にも尽力しています。しかし、享保15年（1730年）から翌年にかけて領内が洪水に見舞われ、大きな被害を受けました。その結果、享保16年（1731年）には岩間領で強訴が起きています。

享保19年（1734年）1月16日に40歳で死去し、跡は次男の篤直が継ぎました。

系譜

父：土屋政直
母：原易純の娘（側室）
正室：水野忠周の娘
継室：水野忠周の娘
側室：佐藤長右衛門の娘

子女

土屋篤直（次男）：生母は佐藤氏（側室）
戸田氏純（三男）
土屋以直
久米五郎
女子：松平乗佑正室、生母は継室
* 女子：松平忠刻正室、生母は継室

土屋陳直は、藩政において一定の功績を残しましたが、水害による領民の困窮と強訴という負の側面も抱えていました。その短い生涯は、藩主としての苦悩と、時代の流れを反映していると言えるでしょう。

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