水野忠周

水野忠周（みずの ただちか）

水野忠周は、江戸時代中期に信濃松本藩の第4代藩主を務めた人物です。沼津藩水野家4代でもあります。

生涯

寛文13年（1673年）1月25日、第3代藩主・水野忠直の長男として、江戸の神田橋邸にて誕生しました。幼少の頃から聡明で、貞享4年（1687年）12月には、従五位下・出羽守・中務少輔に叙位・任官し、江戸幕府の第5代将軍・徳川綱吉の小姓として仕えました。

正徳3年（1713年）には、父である忠直の死去に伴い家督を相続し、松本藩の第4代藩主となりました。この時、弟の忠照に蔵米2000俵を与え、分家を創設させています。この分家は、水野家が改易された後の享保10年8月に、幕府から佐久郡に2000石の領地を与えられ、旗本として取り立てられました。

忠周は、松本城の本丸に仏堂を築くほど、信仰心が篤い人物でした。そのため、寺社政策に力を注ぎました。しかし、その一方で、寺社政策以外の藩政を顧みることがありませんでした。また、寺社政策のために御用金を何度も課し、領民を苦しめ、藩の財政を悪化させるなど、藩主としての資質には疑問が残る一面もありました。

享保3年（1718年）10月28日、江戸の田安邸にて46歳で亡くなりました。跡は長男である忠幹が継ぎました。

系譜

父母
父：水野忠直
母：鍋島光茂の娘

正室
前田利明の娘

子女
長男：水野忠幹（生母は正室）
次男：水野忠恒（生母は正室）
女子：水野類子（土屋陳直正室）
* 女子：水野近子（亀井茲長正室、のち土屋陳直継室）

人物

水野忠周は、信仰心が厚く寺社政策に熱心であった一方、藩政を顧みず、領民に負担を強いたことで、藩財政を悪化させたという負の側面も持ち合わせていました。その治世は、藩主としての功績と課題の両面を抱えていたと言えるでしょう。

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