土岐頼稔

土岐頼稔（とき よりとし）

土岐頼稔は、江戸時代中期に活躍した大名で、駿河国田中藩の第2代藩主、後に上野国沼田藩の初代藩主となりました。沼田藩土岐家4代当主であり、官位は従四位下・丹後守、侍従です。

生涯

元禄8年（1695年）2月6日、または2月8日に、田中藩初代藩主・土岐頼殷の長男として大坂で生まれました。当初は三男でしたが、二人の兄が早世したため世子となったという説もあります。正徳3年（1713年）7月、父の隠居により家督を相続し、田中藩の第2代藩主となりました。

頼稔は、奏者番、寺社奉行、大坂城代などの要職を歴任し、幕府の要人として活躍しました。特に、享保17年（1732年）の享保の大飢饉では、領内の窮民救済に尽力し、その功績を将軍徳川吉宗に賞賛されました。享保19年（1734年）6月には京都所司代に就任し、朝廷との交渉や京都の治安維持に努めました。

寛保2年（1742年）6月には老中に昇進し、幕府政治の中枢を担うこととなりました。同年8月には、田中藩から上野沼田藩へ移封され、沼田藩の初代藩主となりました。沼田藩では、藩政の基礎を固めるために様々な改革を行い、領民の生活安定に尽力しました。

延享元年（1744年）9月12日、江戸にて50歳で死去しました。跡は長男の土岐頼煕が継ぎました。

系譜

父母
父：土岐頼殷
母：渡辺氏（側室）
正室
松平忠雄の娘
子女
長男：土岐頼煕
次男：菅沼定興
四男：土岐定則
五男：土岐定経
娘：松平康福正室
娘：智峰院（加藤泰温正室）
娘：木下俊泰正室
娘：織田輔宜正室


土岐頼稔は、大名としての治績だけでなく、幕府の要職を歴任し、その職務を誠実に果たした人物でした。特に、享保の大飢饉における民衆救済への貢献は、特筆すべきものがあります。また、沼田藩初代藩主として、藩政の基礎を築き、後世に大きな影響を与えました。彼の功績は、江戸時代中期の大名史において重要な位置を占めています。

もう一度検索