尊助法親王

尊助法親王

尊助法親王（そんじょほっしんのう）は、鎌倉時代中期の皇族であり、天台宗の僧侶です。建保5年（1217年）に生まれ、正応3年12月1日（1291年1月2日）に75歳で亡くなりました。父は土御門天皇、母は法印尋恵の娘であり、後嵯峨天皇とは異母兄弟にあたります。青蓮院と大原宮を号しました。

生涯

貞永元年（1232年）に出家し、文暦元年（1234年）に一身阿闍梨となりました。建長4年（1252年）には親王宣下を受け、建長6年（1254年）には青蓮院門主と無動寺検校に任じられました。正元元年（1259年）には天台座主に就任し、その後も複数回にわたり天台座主を務めています。具体的には、正元元年（1259年）3月から弘長3年（1263年）8月まで、文永4年（1267年）7月から翌年12月まで、弘安7年（1284年）9月から弘安9年11月まで、そして正応3年（1290年）2月から同年10月までの計4回、天台座主の地位にありました。

青蓮院門主を巡る争い

青蓮院門主の地位に関しては、当初は前門主の最守の意向により道玄が後継者とされました。その後、慈助法親王が継ぐように定められていましたが、文永5年（1268年）に延暦寺内部の対立が原因で、青蓮院と梶井の両門跡が没収され、尊助法親王は解任されました。この時、天台座主の慈禅が両門跡を継承しました。慈禅はかねてより青蓮院の継承権を主張しており、尊助法親王とは対立する関係でした。

しかし、翌年には後嵯峨上皇の院宣により、尊助法親王の意向通り道玄が新たな青蓮院の門主となりました。さらに2年後には慈助法親王が次の門主となりますが、尊助法親王、道玄、慈助法親王の三者の関係は良好ではなかったようです。弘安元年（1282年）には、尊助法親王は慈助法親王から門主の地位を取り戻した道玄に対して悔返を宣言し、道玄から門主の地位を奪い返しました。そして、改めて慈禅の弟弟子である慈実を後継者としました。この結果、慈助法親王と慈実の間で門主の地位を巡る争いが再燃し、青蓮院の内紛が激化しました。

このように、尊助法親王の生涯は、寺院内の権力闘争に深く関わっていたことがわかります。彼は天台座主を複数回務める一方で、青蓮院門主の地位を巡る争いに巻き込まれ、その過程で多くの僧侶たちとの対立や争いを経験しました。75歳でその生涯を終えましたが、彼の存在は当時の仏教界に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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