土手町通

土手町通について

土手町通（どてまちどおり）は、京都市の主要な南北の通りの一つであり、北は丸太町通、南は七条通まで伸びています。この通りは、夷川通と上ノ口通との間で一度中断されており、実際には二つの異なる区間に分かれています。そのため、全体の長さは約700メートルと比較的短いものです。また、通りは全ての区間で北行きの一方通行として運用されています。

歴史的背景

土手町通という名称の「土手」とは、豊臣秀吉によって京都に築かれた「御土居」に由来します。御土居は、1591年（天正19年）に市街地を囲む形で建設され、洛中の防衛や鴨川の氾濫時に堤防の役割を果たすことを目的としていました。しかし、江戸時代に入ると、京都の人口増加に伴い町が発展し、御土居の存在が次第に邪魔になるようになりました。

1670年（寛文10年）、鴨川の氾濫を防ぐために新たに堤防が完成し、御土居の役割は失われました。最終的に、1708年（宝永5年）には鴨川の西岸にあった御土居が撤去され、そこに土手町通が誕生しました。

区間の特徴

土手町通の中でも、丸太町通から夷川通までの区間は、京都御所の東南に位置しており、近衛家や鷹司家などの公卿屋敷が多く存在しています。このエリアでは、明治時代に舎密局が開局され、時代の移り変わりを感じさせるスポットとなっています。沿道には旅館や厚生施設、そして住宅が立ち並び、地元の人々や観光客が訪れる賑やかな通りです。

夷川通で土手町通は一度中断されますが、少し東側の細い道を通ると二条通に出て、木屋町通に接続することができます。南下することで、また上ノ口通以南に隣接する通りが現れ、その周辺の風景を楽しむことができます。

上ノ口通から七条通までの区間は、東本願寺の別邸である渉成園の東側に位置しています。江戸時代には、この周辺は東本願寺の寺内町であり、寺に出入りする業者や商人の町として賑わっていました。この区域の沿道には住宅のほか、京人形店もいくつか見られ、京都の伝統文化に触れることができる場所となっています。

沿道の主な施設

土手町通周辺にはいくつかの重要な施設があります。例えば、木戸孝允旧跡や日本年金機構中京年金事務所、また京都市立銅駝中学校や銅駝美術工芸高等学校の跡地などがあります。さらには、舎密局跡や正因寺も点在しており、文化的な魅力が詰まったエリアでもあります。

交差する道路

土手町通は、いくつかの主要な道路と交差しています。丸太町通や竹屋町通、夷川通、上ノ口通、さらには上珠数屋町通、正面通、下珠数屋町通、そして七条通など、多様な道路が交わることで便利な交通網を形成しています。

このように、土手町通は豊かな歴史と文化を持ち、多くの見どころが散策できる魅力的な通りです。京都の風情を感じながら、ゆっくりと散歩するには最適な場所と言えるでしょう。

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