在中国ローマ教皇庁大使館

在中国ローマ教皇庁大使館

在中国ローマ教皇庁大使館（羅: Nuntiatura Apostolica in Sinis）は、バチカンの聖座が中華民国（台湾）の台北市に設置している大使館です。この大使館は、バチカンと中国の関係において重要な役割を果たしてきました。

歴史

国交樹立と南京公使館の設置

1942年7月、中華民国とバチカンは正式な国交を樹立しました。第二次世界大戦終結後の1946年7月、初代駐中国公使としてアントニオ・リベリ大司教が派遣され、南京市に「在中国ローマ教皇庁公使館」が設置されました。

国共内戦と台北への移転

1949年、中国共産党との国共内戦の結果、中華民国政府は台湾の台北市へ移転しました。しかし、リベリ公使率いるローマ教皇庁公使館は南京に留まり、中華人民共和国政府との対話を探りました。しかし、1951年9月、中華人民共和国政府はリベリ公使に対し国外退去を命じ、南京の公使館は閉鎖されました。リベリ公使は香港へ逃れ、1952年10月には台北に移り、当地で公使館の業務を再開しました。

大使館への昇格と国連脱退の影響

1966年、公使館は大使館に昇格し、ジュゼッペ・カプリオが大司教が初代駐中国大使に任命されました。しかし、1971年10月、国際連合（国連）総会において、中国の代表権を中華民国から中華人民共和国に移す決議（アルバニア決議）が採択されました。これに抗議した中華民国は国連を脱退し、ローマ教皇庁は駐中国大使エドワード・キャシディを召還しました。以降、ローマ教皇庁は駐中国大使を任命せず、臨時代理大使を常駐させています。

現在

2015年には、施設の老朽化のため庁舎を移転しました。新しい庁舎には看板や国旗は掲げられておらず、バチカンの国章のみが掲示されています。

在中国ローマ教皇庁大使館は、バチカンと中華民国の関係を象徴する存在として、その歴史と役割は今日においても重要です。

参考文献

何思慎 (2018). “近期教廷與中國大陸關係：前景與影響”. 展望與探索 (法務部調查局展望與探索雜誌社) 16: 26-31.

関連項目

在バチカン中華民国大使館
* 中華民国とバチカンの関係

もう一度検索