在家日蓮宗浄風会

在家日蓮宗浄風会について

概要

在家日蓮宗浄風会（ざいけにちれんしゅうじょうふうかい）は、法華系の仏教教団であり、設立者は秋尾真禄です。この教団の特筆すべき点は、法華宗八品派の日隆門流に属しながら、伝統的な寺院仏教とは異なるアプローチ、つまり在家主義を実践し、信者が全て在家の立場で活動を行っていることです。

設立の背景

浄風会は、設立当初から既存の寺院仏教に対して批判的でした。江戸時代に形成された寺請制度や檀家制度の影響によって、寺院仏教は権威主義や商業主義に陥ると考え、それに対抗する形で独立した教団の形態を取ったのです。このため、在家日蓮宗浄風会では、出家僧侶を一切置かず、全ての信者が研究、教育、儀式、布教などの運営を関与しています。

教団の系譜と教義

浄風会は日蓮を祖師として仰ぎ、日朗や日像の教えを引き継ぐ日朗門流および四条門流にルーツを持ちます。また、日隆を門祖とし、八品門流に連なる信仰体系を持ちます。特に日扇は在家信行を提唱した師として重要な位置を占めており、浄風会の教義に大きな影響を与えています。

近年の沿革

浄風会の歴史は1916年に始まります。日扇の高弟である多羅尾清車が「本門仏立宗本法会」を発足させ、1922年には秋尾真禄がその会を継承しました。1931年には教会が発展し「本門八品浄風教会」を設立し、秋尾が初代会長に就任します。
1944年には山崎廉吉が二代会長に就任し、同時に「在家日蓮宗浄風会」へと改称されました。その後、1946年に本部道場が東京・飯田橋に移転し、1953年には宗教法人としての認証を受けました。1955年には新たな道場が飯田橋に建設され、さらに1971年には鈴木基靖が三代会長に就任しました。
1971年以降も、教団は着実に活動を続け、1987年に泰永二郎が四代会長に就任し、1992年には本部を東京・千駄木に移転しました。

信者数

現在、在家日蓮宗浄風会の信者数は21,061名に達しており、地域社会においても顕著な存在感を示しています。このように、浄風会は在家の信者による仏教のあり方を模索し続け、現代に生きる信仰の一形態を形成しています。

結論

在家日蓮宗浄風会は、伝統的な寺院の枠にとらわれず、現代的な在家仏教を目指す教団として、信者が主体となって運営することで、新たな宗教的価値を提示しています。

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