在日ロシア連邦大使館

在日ロシア連邦大使館

在日ロシア連邦大使館は、東京都港区麻布台に位置するロシア連邦の大使館です。ここでは、その概要、歴史、所在地、そして関連する事件や騒動について詳しく解説します。

概要

在日ロシア連邦大使館は、ロシア連邦を代表し、日本との外交関係を維持・発展させるための重要な拠点です。大使館は、政治、経済、文化など、多岐にわたる分野での両国間の交流を促進する役割を担っています。

東京の他に、札幌、大阪（豊中市）、新潟に総領事館が、函館に総領事館分館があります。

歴史

最初の在東京領事館は1876年に建設が始まりました。設計者はイギリス人建築士スメードリです。しかし、1904年の日露戦争開戦に伴い閉鎖されました。1905年のポーツマス条約締結後、ロシア公使館として再開しました。

1928年に現在地に移転し、コンクリート造2階建ての建物となりました。現在の建物は1976年に大林組によって建築されたものです。旧ソビエト連邦大使館時代の所在地の旧名が麻布狸穴町だったことから、大使館の隠語として「狸穴」と呼ばれることもありました。

ソビエト社会主義共和国連邦崩壊後、東京のソ連元大使館はロシア連邦が引き継ぐと思われましたが、ウクライナとの関係悪化に伴い登記の変更ができないため、登記名義はソビエト社会主義共和国連邦のままとなっています。

所在地

〒106-0041 東京都港区麻布台二丁目1-1

駐日大使

2024年1月19日より、ニコライ・ノズドリェフが特命全権大使を務めています。

事件・騒動

在日ロシア連邦大使館は、様々な事件や騒動の舞台となってきました。

抗議活動

北方領土問題などをめぐり、右翼団体による抗議、侵入や器物損壊事件が度々発生しています。特に2月7日の北方領土の日、8月9日の反ソ連デー、8月15日の終戦記念日などは抗議活動が激化し、大使館周辺が騒然とし、警察と衝突することもあります。2018年8月9日には右翼活動家の男女が静穏保持法違反で逮捕されました。また、2009年7月26日には右翼団体の男が通用門に車両で突入し逮捕、2012年9月17日には大使館前で車両に放火、炎上させた男が逮捕されています。

反戦デモ

2022年2月24日、ロシア軍がウクライナに侵攻したことを受け、同月28日には在日ウクライナ人を含む100人以上がロシア大使館周辺に集まり、ロシアのウクライナ侵攻に抗議する反戦デモを展開しました。

諜報活動

2000年には、ロシア連邦軍参謀本部情報総局（GRU）所属でロシア大使館駐在武官のビクトル・ボガチョンコフ海軍大佐に内部文書を漏洩させ、現金を受け取ったとして海上自衛隊の三佐が逮捕される事件（ボガチョンコフ事件）が発生しました。また、2013年5月にはGRU所属の諜報員とされるセルゲイ・コワリョフ駐在武官に教範などを漏洩させたとして元陸将の泉一成が書類送検される事件（泉一成 情報漏洩問題）も発生しています。

SNS騒動

2018年3月ごろから、大使館公式Twitterが一般利用者に対して過激なリプライを繰り返していることが問題視されました。アメリカ政府の高官に対しても過激な言葉で批判を行い、物議を醸しました。2020年8月10日には、大使館公式Twitterアカウントにて「ソ連軍の猛攻により日本人は追い詰められ、反撃に転じることはできませんでした」などと発言し、批判を浴びました。2022年2月28日には、同アカウントにて「日本の外務省は、歴史を忘れています。クリル諸島は、南クリルも含め、第二次世界大戦の結果として、連合国の決定に従い法的根拠に基づいて、我が国に譲渡されました」と発言し、事実を歪めているとして批判を浴びました。

放置違反金踏み倒し

在日ロシア連邦大使館の外交官は「外交特権」を悪用し、日本国内において外交官ナンバーによる放置違反金を多く踏み倒していることが指摘されています。警察庁のデータによると、2021年度にはロシアがワースト1位となっています。

関連項目

在大阪ロシア連邦総領事館
在札幌ロシア連邦総領事館
在新潟ロシア連邦総領事館
在ロシア日本国大使館
* 日露関係

もう一度検索