地 (囲碁)

囲碁における「地」とは

囲碁において「地（じ）」とは、対局者が自分の生きている石で囲んだ空間のことです。囲碁は最終的に地を多く囲んだ方が勝ちとなるため、この概念は非常に重要です。

地の重要性とバランス

地を確保することは勝利に不可欠ですが、自分の地を守ることに固執しすぎると、他の重要な要素がおろそかになる可能性があります。また、相手の地を攻めることに集中しすぎると、逆に自分の地が危険にさらされることもあります。したがって、攻守のバランスをいかに取るかが、囲碁の腕の見せ所となります。

地の認識と初期の囲碁

囲碁の初期においては、地という概念は現在ほど重要視されていなかったという説もあります。これは、初期の囲碁のルールが、現在とは異なり、地を意識しなくてもよかったことや、棋力が向上するにつれて地が意識されるようになったことが理由として挙げられます。

実利派の棋風

序盤から着実に地を稼ぐ棋風は「実利派」と呼ばれます。反対に、地よりも勢力を重視する棋風は「勢力派」と呼ばれます。どちらの棋風にも長所と短所があり、対局者の個性や戦略によって使い分けられます。

地の数え方

終局時には、盤上の地を数えて勝敗を決定します。自分の地の中に相手の死んだ石がある場合、その石を取り除き、自分の地に埋めます。この際、埋められた石の数も自分の地として数えます。例えば、上の図では、白の死に石を黒の地に埋めると、黒地が21目、白地が17目となり、黒の4目勝ちとなります。

地と認識されない場所

石で囲まれていても、石の配置に欠陥があったり、相手に侵入されて生きてしまうような場所は「地」とは認められません。地として認められるためには、完全に囲まれていて、相手が打っても生きられない状態である必要があります。逆に言えば、双方が相手の陣地を完全であると認め、打つところがないと認定した時に対局は終了することになります。

地の効率的な確保

同じ広さの地を囲む場合でも、場所によって必要な手数に違いがあります。一般的に、隅は最も少ない手で地を囲むことができ、次いで辺、中央の順に効率が悪くなります。したがって、囲碁の対局では、隅から打ち始めるのが基本となります。

中地

中央に囲んだ地は「中地（なかじ）」と呼ばれます。中地は見た目よりも実際の地の数が少ないことが多く、隅や辺に比べて効率が悪いのが特徴です。そのため、中央の地を確保することよりも、隅や辺の地を優先することが重要になります。

関連用語

確定地

完全に囲い込んだわけではないものの、相手が侵入することがほぼ不可能な領域を「確定地」と呼ぶことがあります。例えば、小目から小ゲイマジマリした場合、白が連打を許すなど特殊な状況でない限り、10目前後の地をほぼ確実に確保できます。

地合い

白と黒の地のバランスを「地合い」と呼びます。対局中は、常に地合いを意識して、有利な状況を築くように心がける必要があります。例えば、「地合いが足りない」「地合い勝負」などというように使われます。

地中に手あり

一見すると完全な地に見える場所でも、相手に打たれると生きられたり、セキになったりする可能性がある状態を「地中に手あり」といいます。地中に手があるかどうかを見抜くことは、囲碁の重要な要素の一つです。例えば、上の図の黒地は、白にツケられるとセキになってしまい、地ではなくなってしまいます。

まとめ

囲碁における「地」は、勝敗を決定づける非常に重要な要素です。地を効率的に確保し、相手の地を攻めるだけでなく、バランスの取れた戦略を立てることが重要です。本記事が、囲碁における「地」の理解の一助となれば幸いです。

参考

囲碁のルール
切り賃

もう一度検索