地上局

地上局について

地上局とは、宇宙にいる探査機や衛星などとの通信を行うことを目的に設立された地面に位置する無線局を指します。このような施設は時に宇宙通信所や衛星通信施設、または追跡所とも呼ばれます。地上局は単に宇宙機との通信を行うだけでなく、電波源から電波の受信も行う機能を持っています。

地上局は地球の大気圏内に設置されるため、地表付近に存在し、宇宙との通信を行うための重要な基地となっています。無線局全体をこの地上局に包含することもあり、こうした場合は基地局に似た意味合いを持つとも言えます。地上局は、センチメートル波やミリ波などの電波を通じて宇宙機と交信し、宇宙機への信号送信経路を「アップリンク」、宇宙機から地上局への信号送信経路を「ダウンリンク」としてそれぞれ定義しています。

地上局には主に固定型と可動型が存在し、無線通信規則第1.3条ではこれらの種類とその関連性について具体的な情報が提供されています。また、衛星通信に特化した衛星通信施設もあり、これらは主に通信衛星との連携に使用されています。それ以外の地上局は、宇宙ステーションや様々な宇宙探査機との連絡も行うために設計されています。

地上局の主な役割の一つは、遠隔測定情報の受信と静止軌道にない衛星の追跡です。追跡専用の設備は「追跡所」や「トラッキング設備」として知られており、これにより静止衛星でない衛星に対する監視と通信が可能となります。

通信ポート

通信ポートは、衛星通信局の重要な機能を果たす部分で、多様なパラボラアンテナを備えています。これにより、地上の通信ネットワークとの接続ハブとして機能し、衛星や軌道上に存在するネットワークと連携します。通信ポートは、他の通信機器との間でアップリンクを利用してコンピュータープログラムのアップロードやコマンドの送信を行うなど、幅広いブロードキャストサービスを提供します。

地上ターミナルコンプレックス

アメリカ合衆国の一般施設局が定めた規格1037Cによれば、地上ターミナルコンプレックスは通信ネットワーク内の機器と地上局を統合するために必要な施設とされています。この規格は米国電気通信産業連盟（ATIS）によって管理されており、ATISのテレコム用語集も利用されています。さらに、アメリカ電気通信工業会（TIA）もこの定義を公式に認めています。

衛星通信の規格

衛星との通信に関しては、国際電気通信連合無線通信部門（ITU-R）が合意に基づく国際規格を制定しています。ITU-Rの規格に加え、主要な衛星運用者はそれぞれの地上局が運用する衛星との通信のために、より適合した規格や技術的要件を提供しています。例えば、インテルサットは自社の地上局向けの規格を発表しており、異なる地上局のパラボラアンテナや能力によって分類しています。また、ユーテルサットも同様の規格を提供し、地上局の規格としてはユーテルサット地上局規格が知られています。

結論

このように、地上局は宇宙との通信を円滑に行うための中心的な役割を果たしており、衛星通信の仕組みや規格の理解が非常に重要です。地上局が存在することで、私たちは宇宙の情報をリアルタイムで受信し、有効に活用することが可能になります。

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