地区 (中華人民共和国)

中国の行政区画「地区」について

「地区（ちく、ピンイン：dìqū）」は、中国における行政区画の一種であり、省と県の中間に位置する地級行政区を指します。その歴史は古く、中華民国時代には「行政督察区」として存在していました。その後、「専区」という名称を経て、現在の「地区」へと変遷してきました。

行政督察区

中華民国初期に設けられた「行政督察区」は、省と県の中間を管轄する行政区画であり、行政督察専員公署によって管理されていました。その長である行政督察専員は、この地域の行政を担っていました。当初は、省ごとに序数を用いて「湖南省第二行政督察区」のように呼ばれていましたが、1948年になると、行政督察専員公署が置かれた地名を用いて「常徳行政督察区」のように呼ぶようになりました。

専区

1949年に中国共産党が中国大陸の政権を掌握した後、「行政督察区」は「専区」と名称が変更されました。行政長官は「行署専員」と呼ばれ、その組織や性質は行政督察区とほぼ同じでした。1978年以降は、さらに「地区」へと改称されました。

地区

現在の「地区」は、地区行政公署（地区専員公署）の管轄下に置かれています。その行政地位は、省と県の中間である準行政区画とされています。地区行署の組織や人員は、自治州や地級市とほぼ同じであり、その機関は政府に類似した構造を持っています。

地級行政区

中国大陸における「地級行政区」は、地区と同様に省の下に位置する行政区画を指します。具体的には、地区、地級市、自治州、盟などがこれに該当します。中国では、理論上は省、県、郷の三段階による行政管理体制が敷かれていますが、実際には、海南省を除いて、県級行政区画はすべて地級行政区画の管理下に置かれています。つまり、実際には省、地区、県、郷の四段階行政体制となっています。

この四段階行政体制には、中央政府の政令伝達の遅延や、主要都市への財力集中といった問題点があります。そのため、近年では省による直接管理を求める声が高まり、経済的に省による直接管理が行われるようになってきています。

2021年1月の時点で、中国大陸には333の地級行政区が存在し、その内訳は、地区が7、地級市が293、自治州が30、盟が3となっています。地区は、地級市への再編が進んだため、その数は減少傾向にあります。

地区の一覧

(注: 2023年11月現在、具体的な地区の一覧は入手できませんでした。)

関連項目

中華人民共和国の行政区分

外部リンク

中国行政区画網 （中国語）

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