坂上駅

坂上駅の概要と歴史

坂上駅（さかかみえき）は、岐阜県飛騨市宮川町林に位置する東海旅客鉄道（JR東海）の高山本線の駅です。周囲は美しい山間部に囲まれており、2004年に成立した飛騨市宮川地区の中核を担う場所にあります。この地区は、坂上村から名前を取ったとされており、駅周辺はかつての村の中心地にあたります。

駅の設立は1933年（昭和8年）で、当初は鉄道省が運営する飛越線の終着駅として開業しました。翌年には高山本線の中間駅に変更され、国鉄の分割民営化により、現在はJR東海の管轄下にあります。2004年に発生した台風の影響で、一時的に不通となった区間がありましたが、2007年に復旧し現在に至ります。特に2004年10月以降は一部特急「ひだ」が臨時停車していましたが、現在は一般の普通列車のみが発着しています。

駅の歴史

高山本線は岐阜駅から「高山線」と、富山駅から「飛越線」としてそれぞれ建設が進められました。坂上駅は、飛越線が杉原駅から延びた際に設置された新しい終着駅です。その後、1934年には飛騨小坂駅から高山駅を経由して、坂上駅に至る区間が開業し、高山線と飛越線が統合されて「高山本線」となりました。

年表

• - 1933年（昭和8年）: 鉄道省飛越線の終着駅として開設。
• - 1969年（昭和44年）: 貨物取扱が廃止。
• - 1972年（昭和47年）: 業務委託駅化。
• - 1984年（昭和59年）: 荷物取扱廃止。
• - 1985年（昭和60年）: 無人駅化。
• - 1987年（昭和62年）: JR東海の駅となる。
• - 1996年（平成8年）: 駅舎を改築。
• - 2002年（平成14年）: 第4回「中部の駅百選」に選定。
• - 2004年（平成16年）: 台風による不通が発生。
• - 2007年（平成19年）: 全区間復旧、営業再開。
• - 2018年（平成30年）: 西日本豪雨の影響で再び不通となるが、その後復旧。

駅構造と設備

坂上駅は、島式および単式のホーム2面3線を有する地上駅です。南側に島式ホームがあり、北側には単式ホームが接続しています。駅の管理は高山駅が行っており、ここから出発する普通列車は高山方面および猪谷駅方面のみです。特急「ひだ」は駅を通過するため、駅には停車しません。

駅舎は、北側の単式ホームに併設され、山小屋風のデザインが特徴的です。この駅は無人駅であるため、乗車券の購入はできず、利用者は注意が必要です。また、駅舎内には旧宮川村が設置した「遊ingギャラリー」という絵本図書館が併設され、地域の魅力を発信する役割を果たしています。

駅周辺の状況

坂上駅の周辺には宮川が流れており、この川に沿って高山本線が建設されています。駅の西側には飛騨市宮川振興事務所や市立の小中学校、郵便局など、地域の重要な施設が密集しています。また、岐阜県道481号が駅前に接続しており、これを利用すれば国道360号までアクセスできます。

坂上駅は、その歴史と地域社会の一部として、訪れる人々に美しい自然や文化を提供し続けています。

もう一度検索