坂本善三美術館

坂本善三美術館：阿蘇の自然に抱かれた、静寂の芸術空間

熊本県阿蘇郡小国町に位置する坂本善三美術館は、洋画家・坂本善三の作品を中心に約500点を収蔵・展示する美術館です。1995年の開館以来、多くの来館者から愛され続けています。

歴史と伝統が息づく建造物

美術館の建物は、明治5年(1872年)に小国地方で建てられた歴史ある民家を移築したもので、小国地方特有の置き屋根式の蔵を模した新築の展示棟と収蔵棟が加えられています。これらの建物は、地元の伝統的な建築様式を巧みに取り入れ、周囲の自然環境と見事に調和しています。

特に目を引くのは、国内でも珍しい全館畳敷きの館内です。木の温もりと畳の優しい感触が、来館者にやすらぎを与え、作品鑑賞をより豊かなものにします。この独特の空間は、美術館の大きな魅力となっています。

美術館は、鉾納社（ほこのみや）という神社の神域に隣接しており、自然豊かな環境の中に佇んでいます。静寂に包まれた空間は、作品とじっくり向き合うのに最適です。

数々の受賞歴

坂本善三美術館は、その美しい景観と建築デザインが高く評価され、1995年には「くまもと景観賞」、1998年には同賞受賞施設の中から選定される「記念大賞」を受賞しています。これは、美術館の建築美と周囲の自然環境との調和が、高く評価された証と言えます。

展示内容

館内には、坂本善三の作品をはじめ、様々な美術作品が展示されています。定期的に企画展なども開催されており、来館する度に新しい発見があります。展示内容については、公式ウェブサイトなどで事前に確認することをお勧めします。

アクセスと周辺情報

美術館へのアクセスは、JR九州豊肥本線阿蘇駅から九州産交バス、または西鉄天神高速バスターミナル・博多バスターミナルからの高速バスで「ゆうステーション」まで行き、そこからタクシーで約6分です。車の場合は、大分自動車道日田インターチェンジから約35km、九州自動車道熊本インターチェンジから約58kmです。

周辺には、美術館に隣接する鉾納社（宝来吉見神社）、北里柴三郎記念館のある「学びやの里」、国の天然記念物である下の城のイチョウ、杖立温泉など、観光スポットも点在しています。美術館を訪れた際には、これらのスポットも合わせて巡ってみるのも良いでしょう。

開館時間、休館日、入館料

開館時間は9:00～17:00（入館は16:30まで）、休館日は毎週月曜日（祝日の場合は翌日）、年末年始です。臨時休館となる場合もありますので、事前に公式ウェブサイトなどで確認することをお勧めします。入館料は、一般500円、大学生・高校生400円、中学生・小学生200円です（団体割引あり）。また、ミュージアムショップも併設されています。

まとめ

坂本善三美術館は、阿蘇の豊かな自然に囲まれた、静かで美しい美術館です。歴史ある建物の魅力と、質の高い美術作品、そして周辺の観光スポットと、見どころ満載です。熊本を訪れた際は、ぜひ足を運んでみてください。

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