坂本頼光

坂本頼光：伝統と革新を紡ぐ活動弁士

坂本頼光（さかもと らいこう、1979年6月23日 - ）は、東京都出身の活動弁士であり、その才能は多岐にわたります。古舘プロジェクトに業務提携し、落語芸術協会にも所属。無声映画の弁士としてだけでなく、アニメーション制作や声優としても活躍し、独自のスタイルで観客を魅了しています。

少年時代の夢、そして活弁士への道

幼少の頃から水木しげるのアシスタントを夢見てイラストを学んでいた坂本は、中学生時代に活動弁士の魅力に強く惹かれ、自らもその道を目指すことを決意します。師を持たず、カルトプレイヤーの山本竜二を芸人としての師匠とし、独自の道を切り開いていきました。

1997年、無声映画のライブラリを多く所有するマツダ映画社で前座を務めながら活弁の修行を重ね、2000年に東京キネマ倶楽部にて正式デビュー。『鞍馬天狗』や『子宝騒動』など、120作品を超えるレパートリーを誇ります。

自作活弁アニメという新たな挑戦

2004年頃からは、自らアニメーション作品を制作し、それにセリフを付ける「自作活弁アニメ」という新たな分野に挑戦。往年の映画俳優そっくりのキャラクターが登場し、その人に似せた声色で口演するスタイルは、観客を大いに沸かせました。嵐寛寿郎、森繁久彌、小池朝雄など、故人となった名優たちの声を見事に再現する技術は、彼の才能の証です。

お笑いライブでは、『サザザさん』シリーズという完全オリジナルの自作アニメを披露。その独特な世界観は、多くのファンを魅了しています。

多彩な才能を発揮

坂本の活動は活弁だけに留まりません。2007年には、コナミの音楽ゲーム「pop'n music 15 ADVENTURE」に収録された楽曲「駕籠の鳥」に参加。また、テレビ東京系列の番組「ファイテンション☆デパート」内のコーナーでは、主人公を含む全ての登場人物の声を担当するなど、声優としての才能も発揮しています。

シマンテック社の販促キャンペーン「ノートンファイターショー」ではナレーションを担当し、現在も実況役として参加。さらに、東京スカイツリー公式マスコットキャラクター「ソラカラちゃん」のサブキャラクター、スコブルブルの声も担当しています。

評価と活躍の場

2017年には国立演芸場花形演芸大賞で銀賞、2019年には金賞を受賞。2019年公開の周防正行監督の映画『カツベン!』では、出演のほか、主演の成田凌、共演の永瀬正敏らに活弁指導を行いました。

2020年には、六代目神田伯山の真打昇進披露興行の舞台裏を撮影したYouTubeチャンネルにおいて、急遽、坂本が登場人物の声を吹き替えるという形で協力。同年、松尾貴史の紹介により古舘プロジェクトに所属し、2022年からは落語芸術協会にも入会。活動の幅をさらに広げています。

伝統と革新の融合

快楽亭ブラックや唐沢俊一といったカルト芸人との公演に出演する一方で、寄席での噺家との共演も多く、国立演芸場への出演も果たすなど、正統派の活動も両立させています。伝統的な活弁の技術を継承しながらも、アニメーションやゲーム、テレビ番組など、様々なメディアで活躍する坂本頼光。彼の今後の活動から目が離せません。

特技はイラスト、動画製作。五代目円楽一門会所属の三遊亭円楽 (7代目)|三遊亭円楽_(7代目)は小・中学校の2学年先輩にあたる。エイプリルフールのネタでXのプロフィールの名前を「便所の糞太郎」にしたらXの規定で元にもどらなくなる事態に遭うというお茶目な一面も。

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