埋地一家

埋地一家とは

埋地一家（うめちいっか）は、神奈川県横浜市を本拠地に持つ暴力団であり、指定暴力団のひとつ稲川会に属する二次団体です。この組織は、独自の歴史と背景を持ち、日本の暴力団内でも特異な位置を占めています。

来歴

「埋地」という名称は、外国人居留地を指しており、その地域は治外法権が適用され、官憲は総領事の許可がなければ入ることができませんでした。これにより、さまざまな賭博や非合法な活動が行われる場所となり、埋地一家もその一端を担うことになりました。

この組織の初期に関しては、渡辺仙太郎（埋地仙太）という人物が重要な役割を果たしました。彼は鹿児島県出身で、若い頃は船乗りをしていたと言われています。詳細な経緯は不明ですが、彼は居留地で賭場を開いて成功を収め、伊藤痴遊の記録によれば、「居留地全体のカスリをとっていた」とされ、その収入は明治20年前後には毎日500円ほどに達していたとのことです。これにより、彼は「日本一のカスリ取り」と称される存在となっていきました。

その後、組織は一時的に名跡が途絶えてしまいましたが、昭和に入ると、港湾荷役業を営んでいた藤木幸太郎が名跡を復活させ、初代として埋地一家を再興しました。藤木はその地域を支配する親分として知られ、彼の時代に埋地一家は再度の繁栄を迎えました。

次に、藤木の後を継いだ二代目の「海岸」こと外峯勇は、博徒の親睦団体である京浜兄弟会に所属していましたが、錦政会（現・稲川会）に加入しました。彼の死後には再び名跡が途絶えることとなりましたが、時が経ち2008年、稲川会直参の貞方留義（杉浦一家出身）が三代目として名跡を継承し、組織は再びその名称を名乗るに至りました。

歴代総長

• - 祖：渡辺仙太郎
• - 初代：藤木幸太郎
• - 二代目：外峯勇
• - 三代目：貞方留義（2008年～）

現幹部陣

現在の埋地一家の幹部は以下の通りです。

• - 総長：貞方留義
• - 相談役（舎弟）：高橋進
• - 総長補佐（舎弟）：齋藤修
• - 総長補佐（舎弟）：林俊一
• - 理事長：松田真知
• - 本部長：浅田
• - 幹事長：須藤隆
• - 組織委員長：寺島元樹
• - 局長：高橋龍司
• - 執行部：細野力也
• - 執行部：浅岡望
• - 執行部：中島広一

参考文献

• - 『週刊実話』2008年4月10日号
• - 『実話時報』2008年5月号
• - 『実話時報』2008年6月号

このように埋地一家は、歴史に名を刻む暴力団として、長きにわたりその活動を続けてきました。様々な経緯を経て、現在も影響力を持ち続けています。

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