城山良彦

城山良彦

城山良彦（しろやま よしひこ、1919年2月25日 - 1996年3月29日）は、日本のドイツ文学者であり、特にフランツ・カフカの研究者として知られています。

生涯

広島県出身。1943年に東京帝国大学文学部独文科を卒業後、学問の道を歩み始めます。戦後の日本において、ドイツ文学、特にカフカの作品研究に情熱を注ぎました。学習院大学助教授を経て、東京都立大学 (1949-2011)で教授を務め、1982年に定年退官。その後は日本大学教授として教鞭を執りました。

城山良彦は、カフカの作品を日本に紹介し、その深遠な世界を日本の読者に理解させる上で大きな役割を果たしました。彼の研究は、カフカの文学的意義を明らかにし、多くの研究者に影響を与えました。

業績

城山良彦の主な業績は、カフカ研究を中心とした著作、翻訳、論文です。彼の研究は、カフカの文学作品だけでなく、その思想や背景にも及んでいます。

著書

『カフカ』同学社 1997

共編

『カフカ論集』川村二郎共編　国文社　1975

翻訳

F.ハルトラウプ『下から眺めて 第三帝国始末記』ダヴィッド社 1955
ハンス・キルスト『零八/一五 第3　終戦の巻』桜井和市共訳 三笠書房 1955
ヨハンナ・スピリ『アルプスの少女』国松孝二共訳 三笠書房・若草文庫 1956
『ヘルマン・ヘッセ全集 第7　こどもごころ、クラインとワグナー』三笠書房 1957
カフカ『ある戦いの記録・田舎医者・断食芸人・巣穴』世界文学全集 20世紀の文学 第8 集英社 1966
マルティン・ヴァルザー『カフカ? ある形式の記述』田ノ岡弘子,加藤忠男共訳 サンリオ出版 1973
マルト・ロベール『古きものと新しきもの ドン・キホーテからカフカへ』島利雄,円子千代共訳 法政大学出版局・叢書・ウニベルシタス 1973
カフカ「変身」世界文学全集 74 (カフカ.ヴァルザー) 集英社 1979
* 『カフカ全集 10-11　フェリーツェへの手紙』新潮社 1981

これらの著作や翻訳を通じて、城山良彦はドイツ文学、特にカフカの作品を日本の読者に広く紹介し、その理解を深めることに貢献しました。

城山良彦の研究は、日本のドイツ文学研究における重要な礎となり、後世の研究者たちに大きな影響を与え続けています。彼の学問に対する真摯な姿勢と、カフカ作品への深い理解は、今後も多くの人々に感銘を与え続けるでしょう。

もう一度検索