城川原駅

城川原駅（じょうがわらえき）

富山県富山市城川原三丁目に所在する、富山地方鉄道富山港線の駅です。駅番号はC33が割り当てられています。

歴史

城川原駅は、1924年（大正13年）7月23日に富岩鉄道が富山口駅と岩瀬港駅（現在の岩瀬浜駅）の間を開通させた際、同時に開設され旅客の取り扱いを開始しました。開業当初から、この駅には駅舎やホーム、トイレといった基本的な設備の他に、富岩鉄道の路線運営における重要な拠点として、車庫や変電所、詰所、そして側線などが設置されていました。

1927年（昭和2年）12月15日には、貨物の取り扱いも開始されました。しかし、この地域の鉄道事業はその後大きく変遷します。1941年（昭和16年）12月1日には富岩鉄道の路線が富山電気鉄道へ譲渡され、同社の富岩線の駅となります。さらに1943年（昭和18年）1月1日には、富山電気鉄道が富山地方鉄道と名称を改めたことで、同社の駅となりました。同年6月1日、富山地方鉄道富岩線は国有化され、鉄道省（後の日本国有鉄道、国鉄）富山港線の駅となりました。この時点では集貨や配達は行わない一般駅として営業していました。

国有化後の動きとして、1948年（昭和23年）3月に駅舎が新たに建設されています。また、1955年（昭和30年）1月16日には駅構内に富山運輸区が設けられました。これは、国鉄において閑散線区などの経営合理化を図るため、特定の線区の経営管理を行う現業機関として設置されたもので、富山運輸区は富山港線における輸送業務全般や各種設備の管理・保守などを担っていました。運輸区には機関区の支区や変電区の配電分区も所属しており、それぞれの担当者が配置されていましたが、1967年（昭和42年）3月6日をもって富山運輸区は廃止されています。

その後も城川原駅は富山港線の車両基地としての役割を担い続け、国鉄の富山第一機関区城川原派出所が置かれていました。しかし、国鉄の経営合理化の一環として、これらの機能が北陸本線系統と統合されることが決定。1985年（昭和60年）3月には、富山港線で使用されていた旧型国電（72系）が新型車両（475系）に置き換えられるのに伴い、城川原派出所も廃止されました。貨物取り扱いについては1963年（昭和38年）1月1日に一旦廃止されましたが、1974年（昭和49年）10月1日には旅客に加えて荷物の取り扱いも行う駅となり、その後1984年（昭和59年）2月1日に荷物取り扱いが再び廃止されています。

1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化により、城川原駅は西日本旅客鉄道（JR西日本）の駅となりました。しかし、富山港線の路面電車（LRT）化計画が具体化すると、城川原駅に新たな車両基地や運行管理拠点が建設されることになります。2005年（平成17年）8月に富山ライトレールの本社社屋や運転管理所、車両基地の建設が始まり、2006年（平成18年）3月1日をもってJR西日本の駅としては営業を終えました。同日、建設が進められていた富山ライトレールの施設が完成し、車両基地と共に公開されました。同年3月23日からは、新しい車両であるTLR0600形の搬入が開始され、4月29日には富山ライトレールの駅として装いを新たに開業しました。

そして、2020年（令和2年）2月22日には、富山ライトレールが富山地方鉄道に吸収合併されたため、再び富山地方鉄道の駅として現在に至ります。

駅構造

LRT化後

地上駅として、相対式ホームが二つ設けられており、二つの線路を挟んでいます。駅構内には車両基地へ向かうための引き込み線や、1番線ホームの南側にも一本の側線があります。車両が車庫へ入る際には、入換信号機の指示に従います。ホーム間は構内踏切で連絡しています。

かつて富山ライトレールの本社機能も担っていた建物は、富山地方鉄道への合併後、南富山運転区城川原管理所として活用されています。この管理所は鉄骨二階建てで、一階には事務所や待合室、運行を制御する設備、指令・点呼を行う部屋があり、二階には休憩や仮眠のための設備が整っています。車両基地は最大で4編成の列車を収容可能で、修理や点検ができる設備に加え、整備員の詰所や倉庫も備えています。

普通鉄道当時

LRT化前も、地上に相対式ホームが二つ、線路が二つという構造でした。当時の富山港線においては、列車交換が可能な唯一の駅でした。前述の歴史にあるように、開業当初から車両基地としての役割を持ち、富岩鉄道の車庫などが置かれていました。国鉄化後の富山運輸区や富山第一機関区城川原派出所も、当駅にその拠点を置いていました。ホーム間の連絡は構内踏切によって行われていましたが、その位置は現在のものとは異なっていました。国鉄およびJR西日本時代には、のりば番号の設定はありませんでした。

利用状況

『富山県統計年鑑』などに記録されたデータを見ると、城川原駅の一日平均乗車人員は、過去に減少傾向が見られた後、緩やかな回復傾向を示しています。近年においても、一定数の乗降人員が利用しています。

駅周辺

駅の近くには、旧富山ライトレール本社を活用した富山地方鉄道南富山運転区城川原管理所があります。また、国道8号線の中島大橋も付近に位置しています。

隣の駅

富山地方鉄道
■富山港線
越中中島駅 (C32) - 城川原駅 (C33) - 犬島新町駅 (C34)

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