城戸久

城戸久の生涯と業績

城戸久（きど ひさし）は、1908年6月16日に三重県伊賀上野に生まれた、日本の著名な建築学者です。彼は名古屋工業大学の名誉教授であり、日本建築史の専門家として、多くの城の再建に携わった業績で広く知られています。

学歴と職歴の概要

彼は旧制三重県立上野中学校を経て、1929年に名古屋高等工業学校建築学科を卒業しました。その後、1934年に名古屋工業大学の助教授に就任し、1942年には教授に昇進。その後の学制改革により、戦後は名古屋工業大学の教授として活躍しました。1949年には、「近世日本城廓建築に関する基礎的研究」を行い、京都大学から工学博士の学位を授与されました。

1969年には名古屋工業大学の大学長代行も務めましたが、大学内での紛争のために同年9月に辞任しました。1972年にはこの大学を定年退官し、その後は名城大学の教授や日本建築学会副会長、博物館明治村の理事などを歴任しました。

功績と受賞歴

彼の功績は数多く、1973年には紫綬褒章を受章しています。城戸久は、日本の伝統的な城郭建築に関する研究において重要な役割を果たし、数多くの城の再建や保存に関与しました。これにより、日本の文化的遺産の保護と再生に寄与した彼の業績は、後の世代に大きな影響を与え続けています。

著作一覧

城戸久はまた、多くの著書を残しています。主な著書には以下のものがあります：

• - 先賢と遺宅（那珂書店 1942）
• - 名古屋城（彰国社 1943）
• - 田舎家又兵衛（三渓荘 1943）
• - 城と要塞（朝日新聞社 1943）
• - 藩学建築（養徳社 1945）
• - 犬山城と名古屋城（名古屋鉄道 1949）
• - 国宝犬山城（名古屋鉄道 1965）
• - 彦根城（中央公論美術出版 1966）
• - 名古屋城（中央公論美術出版 1966）
• - 閑谷学校（中央公論美術出版 1967）
• - 城と民家（毎日新聞社 1972）
• - 姫路城（朝日新聞社 1972）
• - 藩校遺構 江戸時代の学校建築と教育（高橋宏之共著 相模書房 1975）

最期の時

城戸久は1979年10月30日に名古屋で亡くなりました。享年71歳でした。彼の業績は、今なお日本の建築学の発展と文化遺産の保護に深く貢献し続けています。城戸久の名は、日本の建築の歴史に確固たる足跡を残していることは間違いありません。

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