城辺町 (愛媛県)

城辺町（じょうへんちょう）

城辺町は、かつて愛媛県南宇和郡に存在した町で、2004年10月1日に南宇和郡の町村合併により愛南町となりました。現在の愛南町のほぼ中央部に位置しています。

地理

愛媛県の最南端、南宇和郡の中央に位置し、北は四国山地から分岐する篠山山脈を境に北宇和郡津島町（現宇和島市）に接していました。南は太平洋に面し、西は御荘町（現愛南町）と市街地を共有し、郡内の主要な公共施設が集中していました。東は緩やかな山地で一本松町（現愛南町）に接し、海岸線の一部が高知県宿毛市に隣接していましたが、宿毛市への主要な交通路は一本松町を経由する国道56号でした。

町名の由来

町名の由来は、戦国時代に諏訪山に築かれた常盤城（別名：亀城）が「城辺」と呼ばれるようになったことが一因とされています。

歴史

古代から中世

戦国時代には、諏訪山に常盤城が築かれていました。

藩政期

藩政時代には宇和島藩の領地であり、御荘組に属し、22の浦を治める代官所が緑村に置かれていました。

明治以降

• - 1889年（明治22年）12月15日：町村制の施行により南宇和郡城辺村が成立しました。
• - 1896年（明治29年）：深浦港への南予運輸社の宇和島-宿毛-小筑紫航路の寄港が始まりました。
• - 1906年（明治39年）：深浦港への大阪商船の寄港が始まり、南予運輸との間で競合が起こりました。しかし、太平洋戦争による船舶不足により、航路は順次廃止されました。
• - 1923年（大正12年）2月11日：城辺村が町制を施行し、城辺町となりました。
• - 1950年（昭和25年）3月21日：昭和天皇の戦後巡幸の際、城辺小学校の校庭に奉迎場が設けられ、昭和天皇を迎えました。
• - 1952年（昭和27年）9月1日：緑僧都村と合併し、新たに城辺町となりました。
• - 1956年（昭和31年）9月21日：東外海町と合併し、新たに城辺町となりました。
• - 1957年（昭和32年）：深浦港の定期航路がすべて廃止されました。
• - 2004年（平成16年）10月1日：南宇和郡の5町村（御荘町、城辺町、西海町、一本松町、内海村）が合併し、愛南町が成立し、自治体としての城辺町の歴史は幕を閉じました。

合併の系譜

• - 明治22年 町村制の施行時

- 緑村、僧都村 → 緑僧都村
- 城辺村 → 城辺町
- 東外海村 → 東外海町

• - 昭和の合併

- 緑僧都村 + 城辺村 → 城辺町
- 東外海村 → 東外海町

• - 平成の合併

- 城辺町 + 東外海町 + 内海村 + 御荘町 + 一本松町 + 西海町 → 愛南町

地域

城辺村には大字はありませんでしたが、緑僧都村との合併時に3つの大字を継承しました。1956年の東外海村との合併と同時に大字を廃止し、以下の15の字が編成されました。

僧都、緑、城辺、蓮乗寺、脇本、中玉、大浜、柿ノ浦、敦盛、岩水、垣内、深浦、鯆越、古月、久良

現在の愛南町における地名表記は、旧城辺町の地名を「愛南町」に置き換えることで対応していますが、「甲」「乙」のみ「城辺甲」「城辺乙」と表記されます。

例：城辺町僧都 → 愛南町僧都、城辺町甲 → 愛南町城辺甲

教育

町内には高等学校はありませんでしたが、愛媛県立南宇和高等学校の敷地の一部が町内に存在していました。

交通

鉄道

町内には鉄道は通っていません。

道路

• - 国道：国道56号
• - 県道：高知県道・愛媛県道7号宿毛城辺線、愛媛県道34号城辺高茂岬線、愛媛県道46号宇和島城辺線

出身著名人

• - 二神駿吉（衆議院議員）

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