基幹バス (名古屋市)

基幹バス (きかんバス)

基幹バスは、名古屋市交通局と名鉄バスによって運行される重要なバス路線です。名古屋における公共交通機関の効率を高めることを目指し、迅速かつ安定的な運行が特徴となっています。以前は「ミッキー」という愛称で親しまれていましたが、2007年以降はその名が外されました。現時点で基幹バスは、基幹1号系統と基幹2号系統の2つに分類されています。基幹バスは英語で「Key Route Bus」とも表記され、名古屋市内の主要なバス停や地下鉄の車内案内表示でも見かけることができます。

特徴

基幹バスの最大の特徴は、定時性の高さや運行ダイヤの間隔が地下鉄と近い点です。たとえば、平日の昼間には栄発着が10分間隔で運行されており、名古屋駅発着は20分間隔です。朝には4分間隔、夕方には5分間隔といった具合に、利便性を追求しています。また、停留所の間隔は一般のバス路線よりも長く設定されており、通常の系統に対して2倍から3倍の距離があることが多いです。さらに、平日にはバス専用レーンが設けられ、その時間帯には一般車両の進入が制限されています。

これにより、バス運行の表定速度を向上させることを目指しており、BRT（バス・ラピッド・トランジット）に近い特性を持っています。バス専用レーンでは、警告システムや監視カメラが設置され、交通の流れをスムーズにするための工夫が凝らされています。信号制御も行われており、バスと一般車両の干渉作用を防いでいます。

歴史

基幹バスの構想は1974年に名古屋市電が全廃された後、名古屋市において公共交通機関の充実が求められる中で生まれました。特に、東京に比べて公共交通網が発展途上にあった名古屋において、バスの導入は急務とされました。1979年、名古屋市総合交通計画研究会によって提案された「基幹バス」構想は、鉄道や地下鉄と同等の公共交通機関として位置付けられました。

1982年3月には、基幹1号系統である東郊線が運行を開始しました。この路線は需要の高いエリアを結ぶ重要な役割を果たし、表定速度も13 km/hから17 km/hに改善される結果となりました。その後も基幹バスの効果が確認されたことにより、1985年には基幹2号系統として新出来町線が新たに開設されました。

系統の詳細

基幹1号系統（東郊線）

基幹1号系統は名古屋市中区の栄と南区の笠寺駅を結ぶ路線で、1982年に開通しました。名古屋高速道路が中央に走るため、バスは道路の端を利用しています。運行は鳴尾営業所が担当しており、全便ノンステップバスでの運行が確立されています。主要な運行系統には栄 - 鳴尾車庫、栄 - 星崎、栄 - 笠寺駅などがあります。

基幹2号系統（新出来町線）

基幹2号系統は1985年に開通し、名古屋市営バスと名鉄バスによる共同運行区間です。路線は主に栄と名東区の引山を結び、名鉄バスセンターから多方面へ接続しています。特徴的には中央走行方式が採用されています。各路線の運行系統は多岐にわたり、地域住民にとって非常に重要な交通手段となっています。

車両と運行体制

基幹バスの車両には、いすゞ・エルガや三菱ふそう・エアロスターなどが使用されています。名古屋市や名鉄バスでは、バリアフリー対応のノンステップバスを導入し、利用者の利便性を向上させています。特に名古屋市交通局では、運行効率の良さや快適性を追求し、数台の新型車両の導入も行われています。

基幹バスはその運行体制を強化し、地域の交通ニーズに応えるために日々進化を続けています。交通の要所をしっかりと結びつけ、住民の快適な移動を支えています。

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