基幹バス

基幹バスの概要

基幹バスとは、鉄道と同等の輸送力と利便性を誇る公共交通機関の一つで、都市の基幹的な公共交通を担っています。このバス路線は「基幹交通」として、高速バスや高頻度運行の形態を取り入れ、効率よく多くの人々を輸送することを目指しています。また、専用レーンや連節バスを利用することで、運行の定時性を確保し、大量輸送機関としての役割を果たします。

基幹バスの運行形態

基幹バスは、通常の路線バスとは異なり、専用のバスレーンや停留所を設置し、一般車両との接触を減少させます。このため、目的地までの移動時間が短縮され、利便性が向上します。また、特定の地域内で、重要な幹線を基幹バスとして設定し、それに支線となるフィーダーバスを組み合わせた「ゾーンバス」というシステムも存在します。これにより、複雑な路線網を整理し、効率的な交通が実現されます。

日本における基幹バスの導入

日本では、名古屋市や新潟市などで基幹バスが導入されています。1970年代後半に交通渋滞や公共交通不便が問題視され、これを解決する手段として基幹バスが提唱されました。1980年代から1990年代にかけて、都市新バスシステムとして多くの地域で試験的に運行が始まりました。

名古屋市の基幹バス

名古屋市では、1985年から基幹バスの運行が開始されました。名古屋特有の特徴として、バスが鉄道並みの間隔で運行している点があります。また、中央分離帯に専用レーンを設けており、さらに信号制御を用いて交差点での一般車両との干渉を排除しています。これにより、運行効率が大幅に向上し、乗客にとっても利用しやすい交通手段となっています。

新潟市の基幹バス

新潟市では、2007年にオムニバスタウンに指定されたことを受けて、新たに基幹バスを導入しました。最初は既存の道路をそのまま使用して運行されましたが、2015年からは連節バスを用いたBRT（バス・ラピッド・トランジット）システムに移行し、効率的な運行を目指しています。

宇都宮市の基幹バス構想

宇都宮市でも基幹バス導入の検討が続いていましたが、LRT（ライトレール）の計画とバッティングしてしまい、進展が見られない現状です。しかし、市は2013年に新たな公共交通計画を策定し、2023年にはLRTが開業する見込みです。

「基幹バス」という名称の背景

「基幹バス」という名称は、バス・ラピッド・トランジット（BRT）という概念の翻訳とも考えられています。この高度なバスシステムは、都市の交通を根本的に改善するための重要な手段となりつつあります。

コミュニティバスとの関係

また、愛知県豊田市の「とよたおいでんバス」や、新潟県五泉市の「五泉市ふれあいバス」など、地域のコミュニティバスにおいても「基幹バス」という表現が使われています。地域の特性に応じたバスの運行が、基幹交通の充実に寄与しています。

総括

基幹バスは、都市の交通網において非常に重要な役割を果たしており、今後も様々な地域での導入や改善が期待されています。それによって、住民の移動の利便性が向上し、持続可能な交通システムの実現が進むことが重要です。

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