基臨尼師今

基臨尼師今（きりん にしきん）は、新羅の第15代の王（在位298年 - 310年）であり、昔（ソク）氏を姓としていました。彼は第11代の助賁尼師今の孫にあたり、父は伊飡（イチャン、新羅の2等官）の昔乞淑（ソク・コルスク）です。母に関する記録は残っていません。『三国史記』新羅本紀の基臨尼師今紀や『三国遺事』王暦には、基立（キリュプ）尼師今とも記されています。

治世

基臨尼師今の治世は、国際関係の進展と国内体制の整備に特徴づけられます。

300年1月：倭国との間で使節を交換し、外交関係を深めました。
300年3月：楽浪（ラクロウ）・帯方（タイホウ）の2国が新羅に帰服しました。これにより、新羅の勢力範囲が拡大し、政治的影響力が増大しました。
307年：国号を斯盧（サロ）から新羅に改めました。これは、国のアイデンティティを再確立し、国民の意識を高めるための重要な施策でした。

基臨尼師今は、在位13年にして310年6月に死去しました。彼の埋葬地は現在まで伝わっていません。

参考文献

金富軾撰、井上秀雄訳注『三国史記』第1巻、平凡社、1980年
* 坪井九馬三・日下寛校訂『三国遺事』、東京、1904年

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