堀切善次郎

堀切善次郎について

堀切善次郎（ほりきり ぜんじろう、1884年9月2日 - 1979年11月1日）は、日本の政治家であり、内務省での長いキャリアを通じて日本の政治に多大な影響を与えた人物です。彼は福島県信夫郡上飯坂村で誕生し、東京帝国大学法学科を首席で卒業しました。大学での優れた成績を活かし、内務省に入省後、監察官や参事官など、様々な役職を歴任しました。

政治家としての経歴

堀切は1925年に神奈川県知事に任命され、その翌年には復興局長官に就任しました。この時期、彼は都市の復興や地方財政の強化に貢献しました。1929年には東京市長を経て、1930年代には拓務次官、さらには法制局長官や内閣書記官長としても活躍しました。1934年には著名な軍人東郷平八郎の国葬の葬儀委員長を務め、国葬の円滑な進行に尽力しました。

第二次世界大戦後、彼は幣原内閣で内務大臣に就任し、1945年には女性の選挙権を認める法律を提案しました。この法案は1945年12月に成立し、戦後日本の選挙制度における重要な一歩となりました。しかし、同年には貴族院議員を辞し、公職追放の憂き目に遭いました。

追放とその後

公職追放中は困難な生活を強いられましたが、1948年には衆議院の委員会で証人喚問を受け、1951年に追放が解除されました。その後、東京都公安委員長として15年間にわたり在任し、公共の安全や秩序の維持に尽力しました。また、母校である早稲田中学校・高等学校の校長を務めるなど次世代の教育にも携わりました。

栄典と著書

堀切の業績に対する評価は高く、多くの栄典を授与されています。従七位から始まり、最終的には従三位に至るまで、様々な位階を持つほか、帝都復興記念章、勲二等瑞宝章、勲一等瑞宝章、そして勲一等旭日大綬章などの勲章も受けています。

また、彼は著書も残しており、『帝都市民諸君に寄す』や『早稲田中学校創立六十周年記念録』など、歴史や教育に関する資料を多く発表しました。特に『貴族院改革資料』や、現代史の研究に根拠を有する『現代史を語る』などは、その活動や思想を後世に伝える重要な資料とされています。

家族

堀切善次郎は、先妻との間に子どもを持ちますが、死別。その後、内務省職員である敷切澄子と再婚し、家庭を築きました。彼の兄堀切善兵衛は衆議院議長として知られ、弟の内池久五郎も衆議院議員として政治に携わっており、堀切家は政界においても影響力を持っていました。

堀切善次郎の人生は、内務省から始まり、戦後の日本政治において重要な役割を果たした政治家としての姿が浮かび上がります。彼の業績や影響力は、今なお多くの人々に語り継がれています。

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