堀口氏

堀口氏の歴史と系譜

堀口氏（ほりぐちし）は、武家として名を馳せた源氏の一族であり、上野国新田郡堀口郷を本貫地とし、現在の群馬県太田市に根を持っていました。この一族の始まりは、新田氏の4代当主新田政義の三男である堀口家貞（またの名は孫次郎家員）が、新田荘堀口郷を分割して拝領したことにさかのぼります。色々な系譜が交わる中で、堀口氏は新田氏の支流として独自の発展を遂げました。

家系とその沿革

堀口家貞の嫡男である貞義は、堀口郷を相続し、その庶子である貞政は太田市新田市野井の一井郷を受け継ぎ、後に一井氏を名乗ります。興味深いことに、貞義の養女が新田義貞の生母であったとも噂され、他の系譜との絡みを示しています。また、家貞の末子の貞昭は、矢島氏として知られるようになりました。これらの血統は、故郷の新田郷を中心に形成され、拡散していったのです。

貞義の母は、評定衆をも務めた北条有時の娘と伝えられており、本宗家が失脚した後も何らかのコネクションを持っていたことが伺えます。その関係のおかげで、貞義は無位無官の状態だった新田本宗家に対し、従四位下美濃守にまで昇進しています。

鎌倉幕府への参与

元弘3年（1333年）、貞義の嫡子である貞満は本宗家の新田義貞の挙兵に参加し、鎌倉攻撃においても重要な役割を果たしました。戦後、彼は父と同じ美濃守の職を与えられ、その後も義貞の重臣として活動を続けます。延元元年（1336年）には、後醍醐天皇が比叡山で足利尊氏に包囲された際、貞満は強引に天皇の輿を止め、直訴したという歴史的なエピソードが『太平記』に残されています。

貞満はその後も、嫡子である貞祐らとともに南朝方として奮闘しましたが、最終的には彼らも没落の運命を辿りました。

支流の発展

堀口氏の家系にはいくつかの支流が存在しました。その中でも、美濃堀口氏は貞満の直系の子孫によって形成され、美濃国大野郡坂本村（現在の岐阜県揖斐郡揖斐川町）に居を構え、後に坂本氏を称しました。この坂本氏は戦国時代には齋藤氏や明智氏に仕えていたことが知られています。

堀口氏の支流の一つである若狭堀口氏もまた、義継の子孫が若狭大飯郡に居住し、国人としてその地位を保っていました。時を経て、織豊期には農業に戻る者も出現し、子孫たちは大飯郡全域に広がりを見せました。江戸時代には若狭小浜藩の酒井家に仕える系統も生まれました。

系譜の資料

堀口氏の系譜は、新田政義を起点とし、政氏、大館家氏、堀口家貞に分かれます。さらに、貞義、一井貞政、尾島貞昭へと続く枝葉があり、後に貞満、行義、義之など多くの子孫に受け継がれていきました。堀口氏はその独自のルーツを持ちながら、時代と共に多角的に分派しながらも、その名を歴史の中に刻んでいます。

このように堀口氏は、新田氏と共に華やかな歴史を持つ武家として、地域の文化や歴史に深く影響を与え続けてきました。

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