堀真五郎

堀 真五郎

堀 真五郎（ほり しんごろう）は、天保9年4月11日（1838年5月4日）に誕生し、大正2年（1913年）10月25日にその生涯を終えた日本の人物です。諱は義彦、別名に有田又四郎があります。姓を藤原とする説もありました。水石、風民、白鷺夫、斜石といった号を用いています。

彼は幕末の激動期に長州藩の志士として活動し、明治維新を迎えた後は、司法界で重要な役職を務め、最終的には貴族院の勅選議員となりました。

人物と経歴

真五郎は天保9年（1838年）、萩にある妙玖寺に仕えていた堀文左衛門松園の子として生まれました。幼少の頃から軍談に強く心を惹かれ、立身出世を願う気持ちが強かったと伝えられています。この功名心から、彼は藩を離れ（脱藩）、各地の志士たち、特に久坂玄瑞や高杉晋作といった名だたる人物たちとの交流を深め、尊皇攘夷運動に身を投じました。

文久2年（1862年）11月には、高杉晋作らが決行した英国公使館焼き討ち事件にも参加。文久3年（1863年）に結成された八幡隊では、初代の総管に就任しています。

戊辰戦争が勃発すると、新政府軍の一員として徴士内国事務局判事に任じられ、続いて箱館府の兵事取扱役を務めました。明治元年（1868年）10月、榎本武揚率いる旧幕府軍が蝦夷地への上陸を開始した際、真五郎は彼らの侵攻を阻止すべく防衛にあたりましたが、敵勢を食い止めることはできませんでした。このため、10月25日に箱館府知事の清水谷公考と共に五稜郭を脱出し、青森へと避難しました。

その後、真五郎は東京へ赴き、箱館の戦況を報告しましたが、一時的に役職を解任されます。しかし、翌明治2年（1869年）1月には復職が認められました。最終的には青森に駐留する軍の事務係に配置されることとなり、その後の箱館戦争の戦闘には直接参加することはありませんでした。戦争が終結した後の6月には箱館に戻り、降伏した旧幕府軍の人々の取り締まりにあたっています。

明治維新を経てからは、法曹界へと進みました。東京始審裁判所長を務めた後、日本の最高裁判所にあたる大審院の判事など、司法の要職を歴任しました。彼の司法官僚としての手腕は、新たな日本の法整備に貢献しました。

明治23年（1890年）9月29日には、貴族院の勅選議員に任じられました。彼は大正2年（1913年）10月25日に76歳で亡くなるまで、この職にあり続け、国家の立法に関わる重要な役割を果たしました。

晩年を過ごしたとされる山口県山口市小郡下郷にある尾崎墓地の一角には、堀真五郎とその妻・菊子の夫婦墓が建てられています。

栄典

堀真五郎には、以下の栄典が授与されています。

明治19年（1886年）7月8日 - 正六位
明治21年（1888年）12月26日 - 勲五等瑞宝章
* 明治22年（1889年）11月29日 - 大日本帝国憲法発布記念章

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