堤剛

堤 剛（つつみ つよし）

堤剛は1942年7月28日に生まれた日本の著名なチェリストです。彼は現在、桐朋学園大学の特任教授や公益財団法人サントリー芸術財団の代表理事、サントリーホール館長、霧島国際音楽祭の音楽監督を務めています。

略歴

堤は音楽の道を父親からのチェロの手ほどきで始め、8歳で初のリサイタルを行います。その後、桐朋学園で斎藤秀雄に師事し、1957年には日本音楽コンクールのチェロ部門で優勝を果たしました。1960年にはNHK交響楽団の欧米演奏旅行に選ばれ、注目を集めました。

1961年にインディアナ大学に留学し、ヤーノシュ・シュタルケルに学び始めます。1963年にはシュタルケルの助手としての経験を得て、同年に開催されたミュンヘン国際音楽コンクールで第2位、ブダペストのパブロ・カザルス・チェロ・コンクールで第1位を獲得しました。これにより、世界中のオーケストラと共演を果たす機会が増えました。

以後も国際的な舞台で活動を続け、2005年には神戸で開催された「1000人のチェロ・コンサートに参加」。2009年には天皇陛下の御在位20年記念式典で演奏を行い、2020年にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の日本公演でソリストを務めました。堤は国内外でリサイタルやコンサートを行い、音楽教育にも力を入れています。

彼はウェスタンオンタリオ大学、イリノイ大学、インディアナ大学などで教授を務め、桐朋学園大学では学長としても活躍しました。さらに、サントリー音楽財団やサントリー芸術財団の理事として、音楽の普及に努めています。2001年から霧島国際音楽祭の音楽監督を務め、2010年からは霧島市のPR大使としても活動しています。

人物

堤は堤春恵という劇作家を妻に持ち、妹にはヴァイオリン奏者の恵藤久美子がいます。また、上皇との親交があり、彼とチェロを奏でる機会もあったとされています。幼馴染のヴァイオリニスト黒柳紀明とも長年の友であり、楽器の演奏に共に取り組んできました。

80歳を過ぎても現役のチェリストとして活動を続け、毎日数時間の練習を欠かさず、健康にも配慮しています。1733年製の貴重なチェロを大切に使用し、持ち運びにも気を使う姿勢が伺えます。

堤は、特にバッハの「無伴奏チェロ組曲」を血肉のように捉えておりわざわざ演奏スタイルを考えながら、自身の表現に磨きをかけています。

受賞歴

彼の在籍する音楽界での功績は多く、1970年から以下のような数々の賞を受賞しています。

• - 1970年度 第2回鳥井音楽賞
• - 1973年 ウジェーヌ・イザイ・メダル
• - 2009年 紫綬褒章
• - 2013年 文化功労者
• - 2018年 文化庁創立五十周年記念表彰

書籍

堤剛は著書も多く出版しており、以下のような本があります。

• - 私の「イリノイ日記」―チェロとともに（音楽之友社 1990年）
• - チェロを生きる（新潮社 2002年）
• - 斎藤秀雄 講義録（編集）（白水社 2005年）

堤剛の活動は、音楽教育の推進や国際交流にも寄与しており、彼の音楽は多くの人々に愛されています。

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