堤根 (川崎市)

堤根（つつみね）

堤根は神奈川県川崎市川崎区に位置する町名です。住居表示に関する法律に基づく住居表示が実施されておらず、丁目は設けられていないため、特有の町名として知られています。この地域はおおよそ600,822.02㎡の面積を持ち、周囲には多摩川に面した他の町や工業地域が広がっています。

地理的特徴

堤根は川崎区の北西端にあり、東側は日進町、南側は下並木、西側は横浜市鶴見区尻手一丁目、北側は川崎市幸区柳町と隣接しています。また、町内にはJR東海道線・京浜東北線と南武支線の高架橋が通っており、これらの路線は町内で立体交差しています。立体交差の北側には清掃工場があり、その西側には温水プール「ヨネッティー堤根」が設置されています。この地域は工場や倉庫、アパートメントが連なる商業的な側面も持っています。

交通アクセス

堤根には鉄道の駅やバス路線が存在しないため、最寄り駅は南隣の日進町にある京浜急行・南武支線の八丁畷駅になります。徒歩圏内にはJR川崎駅（約17分）や尻手駅（約12分）があり、利便性は一定程度確保されています。

歴史的背景

多摩川の流路は奈良時代から平安時代にかけて変化し、現在の流路になったのは近世初期と考えられています。堤根は、江戸時代には堤防が築かれ、その内側が堤根耕地と呼ばれていました。1924年には神奈川県橘樹郡川崎町の一部として堤根という町名が制定され、同年に川崎市が新設されたことで川崎市の町名となりました。

1936年には京浜女子商業学校が設立され、1940年にはごみ焼却場が稼働を開始します。その後、1945年の川崎大空襲では地域が大きな被害を受け、多くの場所に「爆弾池」と呼ばれるすり鉢状の池が形成されましたが、焼却場は1949年に再開し、1979年には処理能力を大幅に改善した清掃工場へと改修されました。

1964年には町域の一部が日進町となり、その後も変遷を経て、1972年には川崎市が政令指定都市となり、堤根は川崎市川崎区に含まれることになりました。

堤根耕地

堤根耕地は東海道と後の東海道線の線路の間に位置しており、川崎町成立以前は新宿町、砂子町、小土呂町が混在していました。現在の堤根や日進町、下並木の一部に相当し、地域の歴史や文化が色濃く残っています。

現況とデータ

2025年のデータによれば、堤根の世帯数と人口についても発表されており、国勢調査を通じた人口や世帯数の推移が注目されています。また、市立小中学校の学区が設定されているほか、経済センサスにより地域の事業所数や従業員数も把握されています。

生活環境

堤根は郵便番号210-0026に属し、川崎港郵便局が集配局となっています。また、町内の治安は地域の警察が管轄しており、住民が安心して暮らせる環境が整っています。堤根は静かな住宅街でありながら、周辺には商業施設や交通機関も多く、生活には便利な地域です。

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