川崎港郵便局

神奈川県川崎市川崎区の臨港地区にある川崎港郵便局（かわさきみなとゆうびんきょく）は、地域における郵便サービスの中核を担う施設です。かつては、民営化前の区分において、集配業務を行う普通郵便局として位置づけられていました。現在の正式な所在地は、〒210-0899 神奈川県川崎市川崎区南渡田町1丁目3番地となっています。

開局と初期の役割

川崎港郵便局の開設にあたっては、当初「新川崎郵便局（仮称）」という名称で建物の建設が進められ、開局に向けた準備が進められていました。しかし、実際に業務を開始する際に、現在の「川崎港郵便局」という名称が正式に採用されました。

1999年 11月1日に開局した当初、当郵便局は川崎市内全域を管轄する地域区分局としての機能を有しており、市内に集まる郵便物を宛先地域ごとに仕分ける重要な役割を担っていました。同時に、川崎中央郵便局が管轄していた集配エリアの一部、特に川崎区内の一部の区域の郵便物配達・集荷業務を引き継ぎ、集配郵便局としての役割も開始しました。さらに、開局と同日には、札幌中央郵便局、函館中央郵便局、横浜港郵便局から国際郵便交換局の業務の一部が移管され、特に東日本地域における船便での国際郵便物の交換拠点としても機能していました。

機能の変遷

開局時には地域区分、集配、国際郵便交換という複数の重要な機能を担っていましたが、その後の郵便事業の再編により役割は変化していきました。2012年 10月1日に日本郵便株式会社が発足した後、郵便事業の効率化が進められ、2013年 5月4日には東扇島地区に新たな拠点として川崎東郵便局が開局しました。これに伴い、川崎港郵便局が担っていた地域区分局としての役割、および船便やエコノミー航空便の国際郵便交換業務は、すべて新設された川崎東郵便局へと移管されることになりました。

一方で、集配業務についてはその重要性を増しました。2014年 3月17日には、それまで川崎中央郵便局が担当していた集配業務と、企業などを対象とする渉外業務が川崎港郵便局に移管されました。これにより、現在では川崎市川崎区（郵便番号の上2桁が21で、下2桁が00番台または08番台の地域）および川崎市幸区（郵便番号の上2桁が212で、下2桁が00番台の地域）の一部エリアにおける郵便物の配達および集荷を専門的に行う、地域の集配拠点としての役割を果たしています。

分室について

現在、川崎港郵便局は分室を有していません。しかし、過去には一時的に分室が設置されていた期間がありました。2014年 3月17日、川崎中央郵便局からの集配・渉外業務移管に合わせて、川崎中央郵便局の建物内に「川崎中央分室」が開設されました。この分室は、郵便番号210-8799が付与され、特定の局所コードと局番号をもって運用されていましたが、約3年後の2017年4月1日に閉鎖されました。

主な沿革

川崎港郵便局の設立から現在に至る主な出来事を以下に示します。

1999年（平成11年）11月1日 - 川崎港郵便局として、現在の所在地に開設。川崎中央郵便局から地域区分業務と集配業務の一部を、複数の郵便局から国際郵便交換業務の一部を移管される。
2000年（平成12年）8月14日 - 外国通貨の両替や旅行小切手の販売業務の取り扱いを開始。
2007年（平成19年）10月1日 - 郵政事業の民営化に伴い、一部の業務が併設された郵便事業株式会社川崎港支店に移管される。
2011年（平成23年）6月19日 - 西日本地域における船便の国際郵便交換業務が、郵便事業株式会社神戸支店から郵便事業株式会社川崎港支店に移管される。
2012年（平成24年）10月1日 - 日本郵便株式会社の発足に伴い、郵便事業株式会社川崎港支店が川崎港郵便局に統合される。
2013年（平成25年）5月4日 - 地域区分業務および船便・エコノミー航空便の国際郵便交換業務が、新たに開局した川崎東郵便局へ移管される。
2014年（平成26年）3月17日 - 川崎中央郵便局から集配業務と渉外業務が移管される。同時に、川崎中央郵便局内に川崎中央分室を開設。
2017年（平成29年）4月1日 - 川崎中央分室が閉鎖される。

取扱業務

現在、川崎港郵便局では、地域住民や企業に対し、以下のような幅広い郵便・貯金・保険サービスを提供しています。

郵便窓口：郵便物、切手、印紙、ゆうパック、内容証明などの取り扱い
貯金窓口：ゆうちょ銀行の貯金・為替・振替・振込、国際送金、国債などの取り扱い
保険窓口：生命保険、バイク自賠責保険、自動車保険、がん保険などの取り扱い
ゆうちょ銀行ATMの設置
川崎市川崎区（〒210-00xx, 08xxの地域）および川崎市幸区（〒212-00xxの地域）の一部エリアにおける郵便物の集配
ゆうゆう窓口（時間外の郵便窓口サービス）

周辺環境と交通アクセス

川崎港郵便局は、臨海部の工業地帯に位置しており、周辺にはJFEスチール東日本製鉄所（渡田・扇町地区）などの大規模施設が見られます。

公共交通機関でのアクセスは、JR鶴見線またはJR南武線の浜川崎駅から徒歩で約13分、JR鶴見線の昭和駅からは徒歩で約11分です。また、川崎市営バスや川崎鶴見臨港バスを利用する場合、「川崎港郵便局前」停留所が郵便局のすぐ近くにあります。

車で来局する際は、首都高速道路横羽線の浜川崎出入口が比較的近くに位置しており、郵便局の敷地内には21台分の駐車場が設けられています。

川崎港郵便局は、設立以来、地域区分、国際郵便交換、そして集配と主要な役割を変遷させてきましたが、現在も川崎市内の指定エリアにおける郵便物流とサービス提供の重要な拠点として機能し続けています。

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