堺連隊区

堺連隊区について

堺連隊区（さかいれんたいく）は、大日本帝国陸軍における連隊区の一つであり、主に大阪府、兵庫県、さらに和歌山県の一部地域の兵事業務を扱っていました。具体的には、徴兵や召集などの事務を取り扱う役割を果たしていました。実際の業務は堺連隊区司令部が統括して行いましたが、1941年（昭和16年）には大阪連隊区に統合され、堺連隊区は廃止されました。

沿革

堺連隊区は、1907年（明治40年）10月1日に創設されました。これは、当時の日本陸軍が内地19個師団体制に対応するために改正された陸軍管区表に基づくもので、当初は第4師管第32旅管に属していました。当初の管轄地域には大阪府と兵庫県の一部が含まれました。

その後、1911年10月5日に連隊区司令部は庁舎移転工事のため、堺市熊野町東6丁目の超善寺に仮に移転しました。また、1912年2月27日には、司令部が大阪府泉北郡向井村に移転しました。

1925年（大正14年）には、日本陸軍の第三次軍備整理に伴い、陸軍管区表が再改正され、同年5月1日には旅管が廃止され、引き続き第4師管に所属することとなりました。また、篠山連隊区の廃止により、堺連隊区の管轄区域は大きく変更されました。

1940年（昭和15年）には、堺連隊区は中部軍管区大阪師管に属するようになりましたが、1941年（昭和16年）11月1日に廃止され、その管轄区域は大阪連隊区に統合されました。

管轄区域の変遷

堺連隊区の管轄区域は、創設当初から様々な形で変遷しました。1907年の創設時には、以下の地域が管轄されました：

• - 大阪府：堺市、南河内郡、泉北郡、泉南郡
• - 兵庫県：津名郡、三原郡

1915年（大正4年）には和歌山県伊都郡が追加され、1920年には南区と東区が大阪連隊区から編入されました。その後も、管轄地域は変化を続け、1937年には布施市が加わるなどしました。

1941年の廃止時には、以下の地域が堺連隊区の管轄区域に含まれていました：

• - 大阪府：南区、東区、堺市、岸和田市、南河内郡、泉北郡、泉南郡、天王寺区、浪速区、西成区、住吉区、中河内郡、北河内郡
• - 和歌山県：伊都郡

司令官

堺連隊区を統率した司令官たちは次の通りです：

• - 遠山景徳 歩兵少佐：1907年10月3日 - 1912年3月8日
• - 永田十寸穂 歩兵中佐：1912年3月8日 - 1913年7月30日
• - 大多和与次 歩兵中佐：1913年8月12日 - 1914年1月14日
• - 宮地久寿馬 歩兵中佐：1914年1月14日 - 1915年8月10日
• - 梅津喜一 歩兵中佐：1915年8月10日 - 1916年8月18日
• - 堀内龍明 歩兵中佐：1916年8月18日 - 1918年7月24日
• - 鷲見栄治 歩兵大佐：1918年7月24日 - 1919年7月25日
• - 小野庄造 歩兵大佐：1919年7月25日 - 1921年7月20日
• - 坂井兵吉 歩兵大佐：1921年7月20日 - 1923年8月6日
• - 林田芳太郎 歩兵大佐：1923年8月6日 -
• - 石井孝慈 歩兵大佐：不詳 - 1928年8月10日
• - 岡原寛 歩兵大佐：1928年8月10日 -
• - 高橋省三郎 歩兵大佐：1933年8月1日 -
• - 下川義忠 陸軍少将：1940年2月24日 -

堺連隊区は、日本陸軍の歴史において重要な役割を果たしましたが、時代の変化とともにその姿を消していきました。

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