塚田十一郎

塚田十一郎の生涯と政治業績

塚田十一郎（つかだ じゅういちろう）は、1904年2月9日に新潟県中頸城郡春日村（現在の上越市）に生まれました。彼は、弁護士、税理士、政治家としての経歴を持ち、正三位を叙せられました。塚田は、衆議院議員として8期、参議院議員として3期を務め、郵政大臣も歴任しました。彼の政治キャリアは、戦後の日本において国政の重要な部分を担っていました。

学歴と初期キャリア

塚田は、新潟県立高田中学校を卒業後、大連中学校を経て1928年に東京商科大学（現・一橋大学）を卒業しました。彼は高等文官試験の行政科及び司法科に合格しますが、昭和金融恐慌の影響を受け、就職活動は厳しいものでした。やがて、小橋一太の紹介により東京外国語学校の事務局に勤務し、その後は同学校の助教授として民法の講義を行いました。

1938年には長崎高商事務官に転職し、鹿島組にスカウトされて監査役を務めるようになりました。戦後すぐに田中角栄と知り合い、政治の世界に足を踏み入れます。

政治活動の開始

1946年、塚田は第22回[[衆議院議員総選挙]]に日本自由党公認で出馬し、初当選を果たします。その後、衆議院での職務を重ねる中で、大蔵政務次官や衆議院予算委員長を務め、1953年には第5次吉田内閣において郵政大臣に就任しました。官僚との対立の中で政治的な派閥運営にも関わるようになります。

新潟県知事としての功績

1961年には新潟県知事選に出馬し、当選します。彼は新潟の発展に寄与するため、「新潟県総合開発計画」を策定しました。この計画には新潟東港の建設や信濃川の関屋分水事業が含まれており、地域の経済成長を目指しました。しかし1965年の再選後、金銭的スキャンダルにより、1966年に辞任することになります。

政界復帰と晩年

その後、塚田は国政に復帰し、1968年から参議院議員として活動を続けました。1974年には秋の叙勲で勲一等旭日大綬章を受賞しましたが、1982年には後妻の事業の失敗が影響し、多額の負債を抱えることとなります。93歳で死亡するまで、彼は日本政治の一端を担い続けました。

プライベートと趣味

塚田は趣味として読書や麻雀を楽しんでいました。彼の住所は新潟市旭町通二番町でした。1964年の新潟地震の際には、東京に出張中でしたが、地震の翌日に被災地に向かい、状況を目の当たりにして感情を露わにしました。この姿に多くの被災者が共感し、彼に対する支持が高まったのです。

家族と人間関係

塚田は先妻とともに生活していましたが、後妻である常喜との不倫関係が隠れたこともありました。常喜は、バーやクラブを経営し、その後塚田との結婚を果たします。しかし、常喜の事業も失敗に終わり、ふたりは多大な借金を抱えることになります。

このように塚田十一郎は、波乱に満ちた政治経歴を持つ人物であり、日本の戦後政治に大きな影響を与えました。彼の人生は多くの人々に影響を与え、その業績は今日においても様々な形で評価されています。

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