塚越 (川崎市)

神奈川県川崎市幸区の中央部に位置する塚越は、古くからの歴史を持つ町名です。現在の行政地名は、塚越1丁目から塚越4丁目が定められていますが、住居表示はまだ実施されていません。

地理的特徴

塚越は、幸区内において地理的に中央部に位置しています。その周囲は、複数の町域に囲まれています。西側では東小倉と、北側では新塚越および下平間と隣接しています。北東方面には古川町が位置し、東側は戸手本町と接しています。さらに、南側では多摩川を隔てて横浜市鶴見区の矢向と境界を共有しており、他市との接点を持つ地域でもあります。

地名の起源

「塚越」という地名の由来には、この地に伝わる古い歴史が関係しています。その起源は、当地に存在したと伝えられる古い塚、具体的には古墳であると考えられている「塚越古墳」に由来するとされています。このような古墳の存在は、古代からこの地域に人々が居住し、文化を築いてきた痕跡であり、それがそのまま地名として現在に受け継がれていると考えられています。

行政区画の変遷

塚越の行政区画は、時代の流れとともに変化を重ねてきました。始まりは1924年（大正13年）7月1日、それまで橘樹郡に属していた御幸村が川崎市に編入された際、御幸村の大字であった塚越がそのまま川崎市塚越として組み込まれました。

次に大きな動きがあったのは1951年（昭和26年）4月です。この頃、地域で耕地整理が進められ、その結果として、従来の塚越の一部が再編成され、塚越1丁目から塚越4丁目という現在の丁目区分が新たに設けられました。これにより、近代的な町域の枠組みが確立されたと言えます。

さらに、1972年（昭和47年）4月1日には、川崎市が政令指定都市に移行し、新たな行政区が設置されました。この時、塚越を含む地域に幸区が誕生し、川崎市幸区塚越（1丁目から4丁目）となりました。

比較的近年の変化としては、2002年（平成14年）に、塚越1丁目の一部であった東芝ダイカスト工場跡地が、「新塚越」という独立した町名として分離されました。これにより、塚越の町域は現在の形へと落ち着きました。

地域社会の側面

塚越地域は、多くの住民が生活を営む場であるとともに、様々な産業活動が行われる地域でもあります。行政による国勢調査などに基づき、定期的にこの地域の世帯数や人口の変動が把握されています。また、経済センサスなどの調査を通じて、地域内の事業所の数や従業員の状況なども集計されており、地域経済の動向を示す指標となっています。

主な地域施設

塚越には、住民生活や地域活動を支えるいくつかの主要施設が立地しています。教育施設としては、川崎市立塚越中学校があり、地域の子どもたちが通学しています。また、地域の安全を守るために、幸警察署の管轄下にある塚越交番が設置されています。さらに、企業活動の拠点として、キヤノンの矢向事業所もこの地域内に位置しています。

その他の地域情報

塚越地域の郵便番号は212-0024であり、郵便物の集配業務は川崎港郵便局が担当しています。また、警察の管轄区域についても、地域ごとに定められています。

塚越は、古代の塚に由来する歴史を持ち、度重なる行政区画の変遷を経て現在の姿に至りました。幸区の中心部として、住宅地と事業所が共存する活気ある地域となっています。

もう一度検索