塩見 (日向市)

塩見（しおみ）

塩見は、宮崎県日向市の北部に位置する地域で、現行行政地名としては「大字塩見」が存在します。この地域には中村、新財市、千束口、塩見ケ丘、奥野、永田、権現原といった地区名があります。郵便番号は883-0033で、日向郵便局が管轄しています。

地理

塩見は日向市の中北部にあたります。北側は門川町、南側は日向市平岩、そして西側は東郷町に接しており、東側は日向市にある財光寺や富高と隣接しています。この地域の大部分は山地で構成されており、平地は非常に限られています。交通面では、東九州自動車道が縦断し、国道327号が東西方向に通っています。

歴史

塩見という地名は鎌倉時代から存在しており、当時は日向国臼杵郡に属しました。地名の歴史を振り返ると、1457年には小浪川の戦いを受け、塩見城が伊東氏の手に落ちる事態が起こりました。1587年に豊臣秀吉の九州統一後は延岡藩に属し、その後1615年の一国一城令によって塩見城は廃城となりました。

1692年からは天領となり、西国筋郡代の日田代官の統治下に置かれました。その後、明治時代に入ると、富高県、日田県、延岡藩と次々に所属を変え、1873年には宮崎県に編入されました。1884年からは東臼杵郡に属し、歴史を重ねていきます。

さらに、1877年の西南戦争では、塩見川流域が主戦場となりました。正法寺には負傷した西郷軍の兵士が運ばれ、政府軍の陣も設営されたことが記録されています。鹿児島藩の山縣有朋が同寺で延岡攻略の策略を練ったとも言われています。

近代の発展

1889年には富高村の一部として、1921年には富島町に編入されました。1951年からは日向市の大字として位置づけられ、1965年には市営住宅の建設が始まり、新財市地区が新たに発展しました。また、1969年には権現原浄水場が完成し、地域の水環境が改善されました。

河川と交通

塩見を流れる塩見川があり、町の自然環境の一部を構成しています。交通面では、国道327号が主要な道路として利用されており、路線バスも運行されています。宮崎交通が運営するバスが運行されており、イオンタウン日向から上椎葉方面へアクセス可能です。

教育・福祉・郵便

地域には重要なインフラも整備されています。塩見小学校や宮崎県立日向ひまわり支援学校などの教育機関があり、子どもたちの教育に寄与しています。郵便サービスも充実しており、日本郵便株式会社塩見簡易郵便局が地域住民に利用されています。

文化と伝統

塩見には伝統的な文化も存在します。特に「ひょっとこ踊り」という地域の伝統舞踊があり、第一次世界大戦の祝いとして塩見で初めて公開されました。この踊りは、地域の眼科医が付近の青年たちに教えたという逸話があります。

正法寺や塩見農村公園など、地域の文化的・自然的な魅力も多岐にわたります。地域に根ざした行事や活動が続けられており、人々の交流を深めています。

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