国道327号

国道327号：耳川に沿う歴史と変化の道

国道327号は、宮崎県日向市を起点に、東臼杵郡の美郷町、諸塚村、椎葉村を経て、熊本県上益城郡の山都町に至る一般[[国道]]です。全長約94.6kmの路線は、耳川と並走する区間が多く、豊かな自然の中に位置しています。

住友財閥と百万円道路

この道路の建設は、1928年、住友財閥による電力開発（発電用ダム建設）の代替条件として始まりました。住友財閥による一部区間の整備の後、宮崎県が建設を進め、1933年に日向市中心部と椎葉村を結ぶ路線として開通しました。この際、住友財閥から拠出された100万円（現在の価値で約100億円相当）の建設費から、「百万円道路」という通称が生まれました。

この道路の開通は、椎葉村と諸塚村の地域経済に大きな影響を与えました。バス路線の開設により、それまで困難であった物流が改善され、日向市方面との交流が深まりました。その結果、1949年には椎葉村と諸塚村の所属郡が西臼杵郡から東臼杵郡に変更されるほどでした。

時代の変化と道路整備

開通当初は2間（約3.6m）程度の幅員でしたが、自動車の普及とともに交通の支障が目立つようになりました。そのため、道路拡幅工事が順次実施され、2021年9月現在、椎葉村内の一部区間を除き、おおむね2車線道路に整備されています。現在も、安全で快適な道路環境を目指した整備は継続中です。

主要なバイパスと重複区間

国道327号には、交通渋滞の緩和や安全性の向上を目的とした複数のバイパスが整備されています。日向バイパス、橘バイパス、恵後の崎バイパス、古園バイパス、岩屋戸バイパス、山陰バイパスなどが挙げられます。また、国道446号、国道503号、国道388号、国道265号と重複する区間もあります。国道265号との重複区間は、椎葉村の音ヶ瀬大橋から熊本県山都町まで続き、実質的には日向市と椎葉村を結ぶ路線となっています。

近年の台風被害と復旧

近年、台風による甚大な被害を受けています。2022年9月には台風14号の襲来により、諸塚村と椎葉村で道路の大規模な崩落が発生し、通行止め区間が発生しました。その後、応急復旧工事が進められ、2023年4月には諸塚村区間の通行止めは解除されましたが、仮設橋による片側交互通行となっており、完全復旧には数年の期間を要すると見込まれています。椎葉村側の復旧工事も継続中です。

トンネルと道の駅

国道327号沿いには、小八重トンネル、諸塚トンネル、恵後の崎トンネル、古園一号トンネル、古園二号トンネル、音ヶ瀬トンネル、鹿野遊トンネル、国見トンネルなど、多くのトンネルが整備されています。また、道の駅「とうごう」も沿線にあります。

まとめ

国道327号は、歴史と自然、そして近年の災害復旧といった様々な要素が絡み合った、変化に富んだ路線です。耳川に沿って走る景観と、その歴史的背景を知ることで、より深い理解が得られるでしょう。今後の道路整備や災害対策の進捗にも注目が必要です。

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