塩見孝也

塩見孝也の生涯と影響

塩見孝也（しおみ たかや、1941年5月22日 - 2017年11月14日）は、日本の新左翼活動家、元赤軍派の議長であり、テロリストとして広く知られています。彼は「日本のレーニン」とも称され、この異名が示すように、彼の影響力は新左翼運動において非常に大きなものでした。

幼少期と学業

彼は1941年、大阪府大阪市の医師の家に生まれ、早くも生後1年で岡山県へ移りました。その後、戦後は母の故郷である広島県尾道市で育ち、小学校から高校までの教育を受けた後、1962年には京都大学文学部に入学しました。この大学生活の中で、彼は共産主義者同盟（ブント）の一員として活動を始め、学生運動に積極的に関わるようになります。

革命運動への参加

京都大学在学中、塩見はブントの幹部となりましたが、1969年には武装闘争の必要性を訴え、新たな闘争方針の設立に向け活動を展開します。彼は「共産主義者同盟赤軍派」を結成し、その議長として、主に京大や同志社大学、立命館大学の学生をメンバーに持ちました。この組織は、400人以上のメンバーを抱え、特に武装活動においては、大阪などでのパトカーや交番の襲撃を指揮することになります。

しかし、1970年には「大菩薩峠事件」の失敗により53人が逮捕され、組織は大きなダメージを受けることになります。塩見はその後、国際的な闘争への展開を図り、「国際根拠地論」を提唱。キューバを拠点にして武装蜂起を繰り広げる道を模索しました。

よど号ハイジャック事件

その後、1970年には「フェニックス作戦」と称してハイジャック計画を策定し、実行に移すことを決定しましたが、行動の前に逮捕されました。彼の逮捕を受けた実行部隊は、予定通り「よど号ハイジャック事件」を実行し、北朝鮮へ亡命することとなります。この事件により、塩見は様々な法律違反で起訴され、最終的には懲役18年の判決を受けました。

獄中生活とその後の活動

塩見は1989年に出所するまで、19年9ヶ月を獄中で過ごしました。その後、出所後は「自主日本の会」を主宰し、様々な集会や活動を行いながら政治的な発言を続けました。彼は再三にわたって北朝鮮を訪れ、同志たちと再会する等の動きも見せましたが、彼の言動は時に物議を醸しました。

また、晩年にはシルバー世代の活動を通じて「銀河の会」を設立し、社会への影響を及ぼすための運動を続けました。2017年には心不全により76歳で亡くなっていますが、彼の活動は日本の政治運動や社会において、なお多くの議論を呼ぶ存在であり続けるでしょう。

塩見の評価

彼自身は、過去の行動について反省の意を示しつつも、赤軍派の活動には肯定的な見解を持っていました。一方、連合赤軍の行動には全否定の姿勢を示し、自身とは無関係であると主張しました。このように、塩見の評価は分かれることが多く、彼の存在が持つ影響は、今後も議論の対象であり続けることでしょう。

彼の人生と活動が示すのは、単なる革命運動だけではなく、政治的な矛盾や自己内省の複雑さです。塩見の存在は、日本の左翼運動の一部として、決して忘れられることのない足跡を残しました。

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