大菩薩峠事件

大菩薩峠事件の概要

1969年11月5日、大菩薩峠で発生した事件は、共産主義者同盟赤軍派のメンバー53名が逮捕されたことにより、組織に重い打撃を与えました。赤軍派は、過去の大阪戦争や東京戦争に失敗した後、「11月闘争」として知られる武装蜂起を計画していました。彼らは刃物や爆弾で武装し、首相官邸や警視庁を襲撃し、人質を取って獄中の仲間を奪還しようとしました。そのための訓練を山梨県の大菩薩峠周辺で行うことに決定し、小屋に宿泊することになりました。

訓練と逮捕

赤軍派のメンバーは、山小屋『福ちゃん荘』に宿泊して武装訓練を行い、一般の登山者と同じ場所にいる状況でした。しかし、外部への情報漏れの恐れから、彼らの計画はすでに事前に知られていました。特に、読売新聞の記者が宿泊して特ダネを狙っていたこともあり、彼らの動きはますます困難に。

11月3日、千葉県警察は西千葉駅から活動家を尾行し、山小屋へ向かうのを確認しました。2日後の早朝、警視庁と9つの都道府県警察が合同で突入し、53名のメンバーを逮捕しました。逮捕された中には幹部だけでなく、何も知らされずに動員された高校生も含まれていました。

裁判の様子

事件後、裁判が開始され、驚くべき冒頭陳述が行われました。「反革命兵士も見つけ次第銃殺の刑にする」などの激しい言葉が語られ、赤軍派を支える人々の熱意が伺えました。1974年6月には、赤軍派統一組の16名が起訴され、裁判が行われました。最終的に幹部4名には懲役刑が下され、他のメンバーにも有罪判決が言い渡されています。

事件の影響とその後

捜査の結果、赤軍派の重要メンバーが逮捕され、組織は深刻な打撃を受けました。逮捕された者たちは獄中グループと呼ばれ、外部で活動を続ける者たちは獄外グループと呼ばれました。田宮高麿ら獄外グループは、国際根拠地論に基づく活動を行い、よど号ハイジャック事件を引き起こしました。さらに、重信房子のグループは、国際的なテロ活動に参加し、日本赤軍としての活動に繋がる事態となりました。一方で、国内に留まったメンバーも連合赤軍を形成し、さまざまな事件を引き起こしました。

その他の関連

また、三里塚闘争に関与していた農家の子息たちも軍事訓練に誘われるなど、赤軍派による影響は広範囲に及びました。大菩薩峠事件は、単なる逮捕事件ではなく、赤軍派とその関連の動きがどのように変化したのかを示す大きな節目となったのです。

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