塩釜の冷泉

塩釜の冷泉：蒜山高原の清冽な水源

岡山県真庭市蒜山下福田塩釜に湧き出る塩釜の冷泉は、その美しい景観と豊富な水量から、多くの人々を魅了する名水です。大山隠岐国立公園という豊かな自然環境に抱かれたこの湧水は、名水百選にも選定されており、その清らかさは地域の誇りとなっています。

冷泉は、中蒜山登山口付近に位置し、東西12メートル、南北5メートル、面積約60平方メートルの瓢箪形をした小池から湧き出しています。池の深さは最大1.9メートルに達し、水温は年間を通してほぼ一定の11度を保っています。毎秒300リットルという豊富な湧水量は、周辺地域600世帯もの生活用水として利用され、地域社会を支える重要な水源となっています。

冷泉の水質は極めて清冽で、池の中にはモノアラガイなどの生物や、寒冷地に生息する藻類なども確認されています。この豊かな生態系は、冷泉の自然環境の素晴らしさを物語っています。1985年には環境庁（当時）によって日本名水百選に選定され、その価値が広く認められました。現在も地元の有志団体「塩釜奉賛会」によって大切に管理され、後世へと受け継がれています。

湧出地自体は立ち入り禁止となっていますが、冷泉から流れ出る水は下流域で様々な用途に利用されています。取水場はもちろんのこと、キャンプ場や養魚場、釣り堀、飲食店などが整備され、観光客向けの施設も充実しています。冷泉周辺は、蒜山高原の観光スポットとして人気を集め、多くの観光客が訪れています。涼やかな空気と美しい自然の中で、清冽な水に触れることで、日々の喧騒を忘れ、心身ともにリフレッシュできるでしょう。

アクセスは岡山県道422号蒜山高原線を利用します。蒜山高原を訪れた際には、ぜひ塩釜の冷泉に立ち寄り、その美しい景観と、豊かな自然が育んだ清冽な水を体感してみてください。名水百選に選ばれたこの湧水は、きっとあなたに忘れられない思い出を残してくれるでしょう。周辺には蒜山高原の他の観光スポットも多く点在しているので、合わせて観光プランに組み込むのも良いでしょう。

塩釜の冷泉は、単なる湧水ではなく、地域住民の生活と、観光客の憩いの場を繋ぐ、かけがえのない存在なのです。

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