釣り堀

釣り堀とは

釣り堀とは、人工的に区切られた水面や造成された池に魚を放流し、料金を支払うことで誰でも釣りが楽しめるようにした施設です。レジャーや飲食を目的としており、手軽に釣りを体験できるのが魅力です。都市部には、屋内に設けられた釣り堀も存在します。

概要

釣り堀は、既存の湖沼、河川、海の一定範囲を区画したり、人工的に池を造成したりして、魚が逃げ出さないようにした場所です。海に作られる場合は、養殖用の生け簀を利用し、その周辺から釣りをします。このような海の釣り堀は、特に「海上釣り堀」と呼ばれます。

釣った魚の取り扱いについては、キャッチアンドリリースのみの場所、持ち帰り可能な場所、調理してもらえる場所（基本料金に調理料が含まれる場合が多い）、買い取って持ち帰る場所、必ず買い取らなければならない場所など、営業形態によって様々です。料金もこれらの形態に応じて異なります。

釣り堀の起源は明確ではありませんが、江戸時代の文化・文政期には、本所や深川にコイ、フナ、ボラなどを対象とした釣り堀が存在していました。その後、釣り堀は次第に贅沢になり、金銀をはめた竿や座席、絹の布団などが用意され、酒を飲みながら釣りを楽しむようになりました。しかし、時代とともにギャンブル性が強まり、釣果に応じて金銭が還元される方式へと変化しました。このギャンブル性の高い釣りは「本釣り」、そうでないものは「楽釣り」と呼ばれましたが、後に都知事によって本釣りは廃止され、楽釣りのみが残って現在に至ります。

海上釣り堀

海上釣り堀は、海に設置された釣り堀です。波の穏やかな湾内に、一辺10～15mほどの筏を浮かべ、水中に深さ10m前後の網を張って生け簀を作り、その中に海水魚を放流します。釣り人は、放流された魚を狙って釣りを楽しみます。

養殖用の生け簀の縁に足場を設けたものが主流ですが、一部には陸上に設置されたプール状の生け簀に海水を引き込んで魚を放流している場所や、利便性を考慮して陸続きになっている店舗もあります。海上釣り堀は、福井県の若狭湾沿岸、関西の三重県南部、和歌山県中紀、兵庫県家島諸島、大阪南部、瀬戸内地方の広島県や香川県、熊本県の天草諸島などで多く見られます。関東地方では房総半島や伊豆半島に数件ある程度で、西日本を中心に発展した釣りスタイルです。

管理釣り場（淡水）

管理釣り場は、釣り堀の中でも特にスポーツフィッシングやゲームフィッシングの要素が強い場所を指します。民間事業者や漁業協同組合などが運営し、様々な養殖魚が放流されています。

管理釣り場には、ニジマスなどのサケマス類を対象としたものや、ヘラブナやコイなどを中心としたものがあります。施設によっては、飲食店、バーベキュー場、キャンプ場などが併設されている場所もあります。

管理されているフィールドは、池（ポンド・リザーバー）タイプと渓流（ストリーム）タイプに分けられます。サケマス類が放流されている管理釣り場では、原則としてキャッチアンドリリースのスポーツフィッシングが推奨されており、ルアーフィッシングやフライフィッシングを楽しむための釣り場が多いです。ただし、中には餌釣りやテンカラ釣りが可能な場所や、魚の持ち帰りができる場所もあります。

放流魚種

多くの釣り場では、ニジマス（レインボートラウト）が放流されています。その他、ブラウントラウト、ブルックトラウト、コーホーサーモンなどの外来種や、イワナ、ヤマメ、イトウなどの日本古来の魚種を放流している場所もあります。近年では、F1と呼ばれるサケマス類の異種交配によって生まれた養殖魚を放流している釣り場も見られます。また、ブラックバスやホシスズキなどを放流している管理釣り場も存在します。

その他

釣り堀や管理釣り場は、手軽に釣りの楽しさを体験できる場所として、多くの人に親しまれています。魚種や釣り方、料金体系は様々なので、自分の好みに合った場所を選んで釣りを楽しんでみましょう。


関連項目

* 養魚池

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