増山歌子

増山歌子（ますやま うたこ、1946年 - ）は、日本のピアニスト、音楽教育者です。旧姓は木下（きのした）で、音楽家である木下保の三女として生まれました。

経歴

増山歌子は、桐朋女子高等学校音楽科を卒業後、第16回全国学生音楽コンクールピアノ部門高等学校の部で第1位を受賞し、その才能を早くから開花させました。桐朋学園大学音楽学部ピアノ科を卒業後は、ソルフェージュ部会に所属し、さらに研鑽を積むためミュンヘン国立大学へ留学。帰国後、洗足学園音楽大学マスタークラスを修了しました。

これまでに、大島正泰、小林仁、ローズル・シュミット、マックス・エッガーといった著名な音楽家に師事しました。桐朋学園ではソルフェージュ講師として、洗足学園ではピアノ講師として後進の指導にあたり、大竹香苗など多くの優れた音楽家を育成しています。

1974年にデビューリサイタルを開催して以降、4回のリサイタルを行い、東京交響楽団との共演も果たしました。また、歌曲や合唱の伴奏者としても数多くの演奏会に出演しており、特に信時潔、山田耕筰、髙田三郎、平井康三郎、團伊玖磨といった邦人作曲家の作品を積極的に演奏しています。慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団、日本女子大学合唱団、聖心女子大学グリークラブなど、多くの合唱団の演奏会でピアニストを務めています。1974年6月には、日立交響楽団の定期演奏会でベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番のソリストを務めるなど、その実力は高く評価されています。1981年から1983年には、坂上昌子連続独唱会「やまとことばを美しく・信時潔歌曲の夕べ」に出演し、邦人作品の魅力を広く伝えています。ソロピアニストとしても、様々な演奏会で活躍しています。

現在、増山歌子は洋楽文化史研究会の会員であり、木下記念スタジオを主宰し、邦人作品を中心としたサロンコンサートを開催しています。また、長姉である坂上昌子と共に木下記念歌曲研究会の代表を務め、父である木下保が提唱した「やまとことば」の伝達・普及にも尽力しています。

ディスコグラフィー

増山歌子は、自身の演奏活動以外にも、数多くの録音にも参加しています。以下はその一部です。

木下保指導による 混声合唱曲集 沙羅 東京放送合唱団 木下歌子：ピアノ フォンテック
木下保の藝術 高田三郎、信時潔合唱作品集－ 木下保：指揮／木下歌子：ピアノほか
合唱名曲コレクション11 木下保：指揮／木下歌子：ピアノほか EMIミュージックジャパン
ソプラノリサイタル : やまとことばを美しく 坂上昌子：ソプラノ 増山歌子：ピアノ

増山歌子は、ピアニストとしてだけでなく、音楽教育者、そして「やまとことば」を伝える活動家としても、多岐にわたる分野で活躍を続けています。

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