増田仁子

増田仁子（ますだ いつこ）は、1972年1月1日に大阪府大阪市阿倍野区に生まれた日本の元柔道家です。現役時代は主に66kg級および72kg級で活躍し、身長は160cm。得意技は背負投や一本背負投でした。

柔道への道と高校での活躍

増田が柔道を始めたのは、文の里中学2年生の時でした。接骨院を経営する父親の勧めがきっかけで、地元のニュージャパン柔道クラブに入門します。同道場には、後に世界選手権52kg級で3位となる植田睦も在籍しており、ともに稽古に励みました。1987年、植田とともに市立桜宮高校に進学。高校2年次には、体重別66kg級の決勝に進出しますが、惜しくも敗れて準優勝となります。しかし、高校選手権では階級を72kg級に上げ、決勝で鴨川真実を横四方固で破るなど、全ての試合を一本勝ちで制して見事優勝を果たしました。高校3年次には、再び体重別66kg級で3位に入賞しています。

大学での飛躍

1990年に龍谷大学へ進学すると、その才能はさらに開花します。大学1年時には、体重別や強化選手選考会で3位、階級無差別で争われる全日本学生選手権でも3位と、早くから実力を示しました。2年次には階級を72kg級に変更。全日本学生選手権で2年連続の3位に入ると、強化選手選考会では決勝まで進みますが、大阪府警の佐藤昭子に敗れ準優勝でした。3年次には体重別で3位、正力杯では66kg超級に出場して3位に入賞。そして迎えた全日本学生選手権では、決勝で国士舘大学の五十嵐準子と対戦。先に効果を取られる苦しい展開でしたが、終盤に縺れ合ったところを崩上四方固で抑え込み、逆転の一本勝ちで初の栄冠を手にしました。大学4年次には、全日本学生選手権の決勝で筑波大学の吉田早希を一本背負投で破り、見事2連覇を達成。さらに、この年の強化選手選考会では住友海上の福場由里子に敗れて準優勝、福岡国際でも3位となりました。

社会人、そして海外へ

1994年、増田はミキハウスに入社し、同時に柔道整復師の学校にも通い始めます。これは、将来トレーナーとして柔道に関わりたいという彼女の目標によるものでした。この年、柔道家としても最高峰の大会である全日本女子選手権に出場。準決勝で鈴木香に敗れたものの、3位入賞という素晴らしい成績を残しました。その後、所属を大新柔道接骨院に移し、アメリカのサンノゼ州立大学への留学も経験します。柔道の技術向上だけでなく、語学やトレーナーとしての知識習得を目指した活動でした。海外での試合にも積極的に参加し、1998年のアメリカ国際大会では78kg超級で3位、無差別で2位に。そして、2001年のアメリカ国際大会では78kg級で優勝を飾り、国際的な舞台でも活躍を見せました。

高校選手権、全日本学生選手権での優勝、そして全日本女子選手権での入賞など、国内の主要大会で確かな実績を残した増田仁子。階級を上げながらも各階級で結果を出し続け、柔道整復師としての学びやアメリカ留学といった、柔道以外の分野にも積極的に挑戦した多才な柔道家でした。

もう一度検索