壬生寺

壬生寺（みぶでら）

壬生寺は、京都市中京区壬生梛ノ宮町に位置する律宗の大本山です。本尊は地蔵菩薩で、創建は正暦2年（991年）。園城寺（三井寺）の僧、快賢によって開かれました。中世には融通念仏の円覚上人が寺を再興し、「大念仏狂言」を創始したと伝えられています。また、幕末には新選組ゆかりの寺としても知られています。

歴史

壬生寺は、快賢が自身の母のために定朝作の地蔵菩薩像を本尊として建立したのが始まりです。当初は五条坊門壬生（現在の壬生寺の東方）に位置し、小三井寺と名付けられました。その後、白河天皇の行幸があり、地蔵院の寺号を賜ったと伝えられています。

建暦3年（1213年）には、平宗平によって現在地に移されましたが、正嘉元年（1257年）に火災で全焼。正元元年（1259年）に平宗平の子、平政平と円覚上人によって復興され、寺名を宝幢三昧寺とし、律宗の寺院となりました。この頃から、地名から壬生寺とも呼ばれるようになります。

正安2年（1300年）には、円覚上人が壬生大念仏狂言を始めたとされています。この狂言は、現在も重要無形民俗文化財として受け継がれています。

江戸時代には庶民の信仰を集め、多くの塔頭が存在しましたが、天明8年（1788年）の天明の大火で全山が焼失。その後、大念仏堂が建立され、壬生大念仏狂言は本堂から大念仏堂で行われるようになりました。

幕末には、新選組が壬生寺の北側に位置する八木邸を屯所とし、境内を兵法調練場として使用しました。現在も境内には、近藤勇の銅像や新選組隊士の墓である壬生塚があります。

明治時代に入ると、廃仏毀釈の影響で塔頭は衰退しましたが、中之坊（現在の中院）のみが残りました。昭和37年（1962年）には放火により本堂などが焼失しましたが、その後再建され、現在に至ります。

境内

現在の壬生寺の境内には、本堂、庭園、千体仏塔、南門、寺務所、グランドホーム ウェルエイジみぶ、壬生寺会館、壬生寺保育園、大念仏堂、三福川稲荷社、北門、水掛地蔵堂、弁天堂、阿弥陀堂、壬生寺歴史資料室、壬生塚、歌碑、近藤勇の遺髪塔、近藤勇銅像、芹沢鴨の墓、平山五郎の墓などがあります。また、塔頭の中院は洛陽三十三所観音霊場第28番札所となっています。

文化財

壬生寺には、重要文化財である大念仏堂、木造地蔵菩薩立像、錫杖、紙本墨画淡彩列仙図などがあります。また、重要無形民俗文化財として壬生狂言、壬生六斎念仏踊りが指定されています。庭園は京都市指定名勝です。

行事

壬生寺では、節分会、壬生狂言、新撰組隊士等慰霊供養祭、壬生六斎念仏踊りなどの行事が行われます。特に壬生狂言は、節分と春秋に公開される無言劇で、多くの人々が訪れます。また、地蔵盆の際には、地蔵の石仏を貸し出す「レンタル地蔵」も行われています。

札所

壬生寺は、洛陽三十三所観音霊場、京都十二薬師霊場、洛陽天満宮二十五社順拝の札所となっています。

アクセス

京都市営バス、京都バス「壬生寺道」下車徒歩約3分。
阪急電鉄京都本線「大宮駅」、京福電気鉄道嵐山本線「四条大宮駅」から徒歩約7分。

壬生寺は、歴史と文化が息づく、見どころ満載の寺院です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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